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確かなコト【進撃の巨人】

第8章 誰も知らない








リアはベッドの上で体を起こすと、座って床に足をつけた。



「あるきたい……」


そう呟くと勢いよく立ち上がるが、足は全く言うことを聞かず体は後ろに倒れてしりもちをついた。



どうして立てないのだろう。




リアは動かない自分の足を不思議に思い、少し強めに叩いてみる。


………痛…くない?

リアは足を引きずって床を履い、窓へしがみついた。



その窓はベッドの側にある窓よりも大きく、また方角が違うためいつもの景色とは違って見えた。
それがもとても新鮮で、違う世界に来たようだった。


光が眩しくて目を細める。


窓枠にもたれ掛かり窓を開けると、優しい風が心地よく吹き抜けた。



青の中に浮かぶふわふわした白。
それを横切って飛ぶ黒い何か。



あのくろいのはなに?


すーっとあおのなかをとんでいった。


きもちいいだろうなー。



…わたしもできるかな




リアは窓枠から体を乗り出して空に思い切り手を伸ばす。
どれだけ必死に伸ばしても届かない。



なんで?
なんでさわれないの?



もどかしくなり、自然と体も前へと傾く。
窓枠を体の重みで乗り越えていく。


わたしももっと、

じゆうにできたら……




ギリギリついていた膝が床を離れた。


ふわっという感覚













あ、飛べた。











その瞬間。夢で聞いた声を思い出した。


ー探しに行こう。必ず迎えに行く。愛してる、リア。ー


ーうん、ずっと待ってるよリヴァイさん。ー


ずっと霞みがかっていたのに、今度ははっきりと顔が見える。
彼の優しい顔。


「もう!私ずっと待ってたのにどこに言ってたんですか!またあの丘に連れて行ってくれるんでしょ?」


リアは久しぶりに心から笑っていた。


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