第8章 誰も知らない
2日後、調査兵団が帰還した。
今回も被害は大きく、出立の時に聞こえた歓声は全て怒号へ変わっている。
リヴァイは疲れきった体に鞭をうち兵舎へと急ぐ。
調査資料の処理など仕事は山ほどあるが、何より早くリアに会いたかった。
アイツの顔を見ないと帰ってきた気がしねえ。
会いたい、早く顔が見たい。
会って抱きしめたい。
焦る気持ちを抑えて歩いていると、リヴァイは兵舎の外壁に置かれた一輪の花を見つけた。
こんなところになぜ花がたむけられているのだろうか。
謎は残ったが、リヴァイは会いたい一心で振り返ることなく再び足を進めた。
そういえばこの上がちょうどリアの部屋か。
彼には似合わない笑みを溢して、その足取りはとても軽やかだった。
「待たせちまったな。」
end