第7章 空白と決意
「……嘘をつかないでって言ったのは団長ですよ。」
リアは俯き、膝の上で拳を強く握る。
「そこは忘れていないのか。」
エルヴィンは笑いながらリアの頭に手をのせる。
「すまない。 だがこれは君にとってもアイツにとってもきっと大切な物なんだ。」
「…嫌です。見たくありません。最近私が私じゃなくなる夢をみるんです。私には団長さん以外必要ありません。」
エルヴィンはリアの前にかがむと、頭に置いていた手をリアの拳にそっと重ねた。
「…後悔ほど虚しいものはないよ。どんなに過去を思っても、過去も今も未来も変わらない。
だから君には後悔して欲しくないんだ。君には笑顔が1番よく似合う。」
リアにはエルヴィンの話の意味がよくわからなかったが、エルヴィンの頬に手を当てた。
「じゃあどうして団長は哀しそうな顔をしているんですか。
…後悔、してるんですか?」
エルヴィンは君に嘘はつけないなと笑っていた
「君がそれを見て何を感じるか不安に思うんだ。私の勝手な嫉妬だよ。」
「…私はどこにも行きません。」
「あぁ、わかっている。」