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《イケメン戦国》時を越えて

第11章 時を越えて〜春日山城〜


ブツブツ言う舞に座るように促し、女中の入れたお茶を二人で飲む。
「こんなに準備してもらって、どうお礼したら良いか分からないよ。」
申し訳なさそうに言う舞に
「謙信様はお礼なんて望んでない。それよりも、今回に限らずまた春日山に遊びに来てくれればそれが何よりの恩返しだ。」
「えっ?それじゃ迷惑の掛けっぱなしだよ?」
「今回も謙信様は迷惑だなんて思ってない。その証拠が女中さんたちとこの部屋だ。そもそも、迷惑だと思ってたら受け入れない。」
「そうなのかな?」
「そうだ。それに、君が使わなければこの部屋にあるものはただの宝の持ち腐れだ。だから、何度でも来て思う存分使って。もちろん、このままここに住んでも大丈夫だ。」
「ええっ?それは信長様に相談しないと分からないけど…でもそういうことなら遠慮なく使わせてもらうね。」
「うん。そうして。」
そう言って佐助は口角を上げた。

「そう言えば、戦はどうなったのかな?みんな怪我したりしてないかな?」
急に思い出し、心配そうに言う舞に
「みんな強いから大丈夫だ。舞さんは良く知ってるだろう?」
佐助がそう答えると、
「そうでした。」
下をペロッと出して舞は笑った。

それから、佐助にお願いして、無事に着いたことを知らせる文を書く。
「信長様と謙信様と秀吉さんに。」
「謙信様と秀吉公にも?」
「うん。謙信様は色々のお礼。秀吉さんは安土ですごく心配してるだろうから。」
「なるほど。」
それを聞いて、舞が織田軍でいかに大事にされているかを再確認した佐助は、
(このままここにいるなんて事になれば、織田軍が攻め入って来るだろうな。)
と苦笑いした。

そうして届けられた文。

「秀吉さんへ
春日山に着きました。
道中は義元さんと佐助くんの他に、軒猿の竜さんと弥助さん、饗談の三太郎さんと竹蔵さん、甲賀者の寛治さん、山犬の村正が護ってくれたので無事でした。
謙信様がすごく豪華な家具や着物を準備してくださってて、びっくりです。
明日は義元さんと城下町に行く予定です。
お土産楽しみにしててね。    舞」


読んだ秀吉は
「???」
疑問がいっぱいだった。
「なんで饗談と甲賀者が?山犬ってなんだ??」
その疑問は武将たちが戻って来るまで秀吉の頭の中をグルグルと回っていた。
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