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《イケメン戦国》時を越えて

第11章 時を越えて〜春日山城〜


顕如討伐と一揆騒動を治めた武将たちは、戦勝と三者協定と朝倉景鏡の功績を祝した宴を開くため、一乗谷へと向かった。

ーーー翌日、早朝。
信長の元から戻った三太郎と竹蔵、寛治、弥助の四人の護衛を引き連れた舞たちは、春日山城へと向けて出立した。
その道中は一昨日のことが嘘のように平穏で、馬で数刻駆けた頃、春日山城下へとたどり着いた。

饗談の二人と寛治とはここで別れる。
「みなさん、本当にありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしています。」
と深々と頭を下げて言う舞に、笑顔で答えた三人は、音もなく立ち去って行った。
三人が去ると
「なんだか寂しいなあ。」
と言う舞。
「またきっとすぐに会えるよ。」
義元が声をかけると
「そうですね!また一緒にお団子を食べる約束をしましたから。」
笑顔でそう答えた。

城門まで進むと、上田城と同じように家臣たちが出迎えてくれる。
「佐助様、義元様、お帰りなさいませ。」
「姫様、ようこそおいでくださいました。」
そう言われて
「ただいま。出迎えご苦労様。」
「ただいま戻りました。」
「お出迎えありがとうございます。舞と申します。よろしくお願いします。」
それぞれ答えた。

「普段は男ばかりの城だけど、舞さんが居る間は女中さんがいることになったから安心して。」
そう佐助に言われて三人の女中を紹介される。
「私のためにわざわざ?」
「謙信様が『男ばかりでは不安だろう』って。」
「…そうなんだ。なんだか申し訳ないね。でも、ありがたいよ。」
謙信の心遣いに感謝する。
「謙信様はああ見えて、繊細だからね。良く気のつく方なんだ。」
「うん。良く分かった。優しい人なんだね。」
そう言う舞を見て、謙信の良さが伝わったことを佐助は嬉しく思う。
「さあ、中に入ろう。」
舞を促して歩き出した。

佐助と女中に案内されて入った部屋。
舞は驚いた。
「なっ、なにこれ?!」
豪華な家具の数々に、高そうな多数の着物。部屋を飾る装飾品も見るからに高級だ。
「さっ、佐助くん?本当にここが私がお世話になる部屋なの?!」
口をあんぐり開けて、惚けたように言う舞に
「びっくりした?」
おかしそうに問う佐助。
「びっくりした。」
舞は素直に答える。
「謙信様の周りには普段、女性がいないからね。どの程度準備したら良いか分からなかったんじゃないかな?」
「だからって…」
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