• テキストサイズ

《イケメン戦国》時を越えて

第10章 時を越えて〜収束へ〜


待機していた天幕で信玄から事の次第を聞いた武将たち。
「景鏡様は素晴らしいお方ですね。」
感心したように三成が言う。
「ああ、そうだな。俺も感心したよ。景鏡殿のあの言葉があったから、門徒たちは納得して引いてくれたんだ。景鏡殿がいなかったら、結局抑え切れなかったかもしれないな。」
信玄が答える。
「そうか。越前はこれから良くなって行くな。」
政宗も言えば
「そうですね。」
家康も賛同した。

「三成、両や米を必要なだけ朝倉へ送れ。いくら使っても構わん。景鏡への褒美は追って考える。」
「御意」
信長の指示に、三成がすぐに動き出す。
それを見た信玄が
「太っ腹なことだな。」
茶化すように言えば、
「朝倉が潰れては困る。彼奴の行いにはそれだけの価値がある。」
然も当然だと言わんばかりに信長が答える。
それを見ていた武将たちは穏やかな笑みを浮かべていた。

「信長」
突如声を掛ける謙信。
「なんだ。」
「此度の騒動はこれで終わりだ。」
「ああ、そうだな。」
「今後はどうするのだ?」
「…どういう意味だ?」
そこで信玄が割って入る。
「謙信が言いたいのは、これからまた敵同士としてやり合うのか、休戦するのか、和睦を結ぶのか、どれにするか?ってことだよな?」
「…ふん。そうだ。」
面白くなさそうに答える謙信。
「ふっ、貴様らはどうしたいのだ?」
謙信と信玄に信長が問いかけると
「戦ができぬのはつまらん。」
と謙信が答え、
「俺は躑躅ヶ崎館と甲府が戻ればそれで良い。」
信玄はそう答える。

「謙信、戦は毛利と思う存分やれ。甲斐は信玄、貴様にくれてやる。」
信長の言葉を聞いた面々は驚き固まった。

「毛利か。悪くない。」
謙信がポツリと漏らすと
「…恩にきる。」
信玄はそう一言返した。

こうして決まった織田、上杉、武田の三者協定。
実質、西日本以外の本州を手中に収めた信長の次の野望は毛利討伐。

「毛利は必ず討つ。」
そう宣言する信長に皆が大きく肯いた。

「舞に手を出そうとした償いは受けてもらう!」
目をギラギラさせて言う政宗。
「世鬼一族に座頭衆…。一筋縄じゃいかないだろうな。」
信玄が言うと
「誰であろうと…斬る!」
ブレない謙信に信玄は苦笑いした。
/ 336ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp