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《イケメン戦国》時を越えて

第10章 時を越えて〜収束へ〜


ーーー数刻後、日没前。
大野入りした織田軍、上杉軍は信玄率いる武田軍と合流していた。

信長「様子はどうだ?」
信玄「俺たちが来た時とさほど変わりない。『顕如様の到着を待つばかり』ってとこだな。」
信長「そうか。」
信玄「守備は?」
信長「景鏡」
景鏡「はっ。こちらを。」
信玄「良し!これなら行けるな。」
謙信「誰が行くのだ?」
信玄「俺と景鏡殿で行く。お前たちはここで待て。」
幸村「信玄様、俺も行きます!」
信玄「幸、お前はここで待機し、俺たちに危険が及びそうな時は兵を指揮してくれ。」
幸村「分かりました。」
信玄「頼んだぞ。景鏡殿、じゃあ行こうか。」
景鏡「はい。」

そうして、信玄と景鏡は門徒が集まる場へと赴いて行った。


門徒が集う場に着いた二人。
「突然すまない。山雅殿にお目にかかりたいのだが、取り次いでもらえないか?」
信玄が見張りをしている門徒に声を掛ける。
「山雅様に会いたいだと?お前は誰だ!」
敵意を剥き出しにした見張り兵。
「俺の名は武田信玄。こっちは朝倉景鏡殿だ。」
「武田に朝倉…。しばし待たれよ。」
二人の名を聞いて警戒心を緩めた兵が、近くにいる門徒へ声を掛ける。
「おい!武田殿と朝倉殿が来たと山雅様へ急ぎ伝えろ。」
そう言われた門徒が慌てて走って行った。

戻って来た門徒に
「どうぞこちらへ。」
と案内されたのは、廃寺の母屋。数名の門徒が居並ぶその奥に、初老の男が座っている。その男が山雅だろう。
二人は促されるまま奥へと進み、男と対面した。

「突然すまないな。貴殿が山雅殿かな?」
「いかにも。貴方は武田信玄様ですね?」
「そうだ。今日は山雅殿に話したい事があってね。座って構わないかい?」
「どうぞ。で、話とは?」
穏やかに話す信玄に対して、山雅の態度は刺々しい。それを気にする様子もなく、信玄が続ける。
「単刀直入に言おう。此度の一揆を中止してもらいたい。」
「はっ?何を言うかと思えば。我らを愚弄する織田軍を撃ち破るまで、我らは止まらぬ。顕如様と共に地獄の果てまでも信長を追い詰め、その首を討ち取ってくれる。それに、今回はそちらの朝倉軍も我らと共にあるはず。」
そう言って目をギラギラさせる山雅。

そんな山雅に
「貴殿の言いたいことは良く分かったが、とりあえずこれを見てくれ。」
そう言って信玄が差し出したのは
「書状?」
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