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《イケメン戦国》時を越えて

第9章 時を越えて〜顕如討伐〜


佐助は家臣と牢の方へ行ってしまった。

舞と義元は
「お部屋へご案内いたします。」
という女中に部屋に通され、舞は
「湯浴みをどうぞ。」
と言う言葉に甘えて、湯殿へと向かった。

湯浴みを終えた舞は、広間へと案内される。
そこには佐助、義元と後発組の忍びたちが揃っていた。
「くノ一姿じゃない舞さんを見るのは久しぶりな気がするよ。」
佐助が言えば、
「動きやすい忍びの装束に慣れてたから、普通の着物は窮屈に感じる。」
眉間に皺を寄せて答える舞に皆が笑う。
そして、そのまま運ばれて来た食事を皆で囲んだ。

「佐助くん、信長様にお礼の手紙を書きたいんだけど…。」
「分かった。準備しておくよ。」
「ありがとう!三太郎さん、信長様に届けてもらっても良いですか?」
「もちろんです。信長様もお喜びになるでしょう。」
「家康と幸村にも書こうかな…」
「ん?」
「家康には寛治さんを付けてもらったお礼で、幸村には笛とここに泊めてもらうお礼。」
「そういうことか。良いと思う。」
「うん!あっ、佐助くんにマキビシと煙玉のお礼を言ってなかった!あれのおかげで敵から逃げ出せたんだよ!練習してたから咄嗟でも使えたの。本当にありがとう。」
「こちらこそ、ここぞと言う場面で俺のマキビシと煙玉を役立ててもらえて感無量だ。また新しいものを渡すよ。」
「嬉しい。ありがとう。マキビシと煙玉は最強だね。」
「マキビシの素晴らしさを分かってくれるとは、さすが舞さん。マキビシはーーー」
突如始まった佐助のマキビシ談議をニコニコと楽しそうに聞く舞。

忍びという存在を蔑むでもなく恐れるでもなく、さも当たり前だと言わんばかりに他の人間に対してと変わらぬ態度で受け入れてくれた舞。
忍びでありながら、己を卑下するでもなく、寧ろ忍びであることを喜び誇りを持っているであろう佐助。
自分たちを敬い、心を持って接してくれる二人に『このお二人に災いが降りかかる時には、己の全てでお助けしよう』そう思う忍びたちだった。
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