• テキストサイズ

《イケメン戦国》時を越えて

第9章 時を越えて〜顕如討伐〜


義元の勧めのおかげで、皆でお茶することができた舞は上機嫌。
村正に団子を分けてやりながら
「お名前を聞いても良いですか?」
と尋ねる。
「某は、三太郎と申します。こっちが竹蔵。」
「三太郎さんと竹蔵さん。」
「拙者は寛治です。」
「寛治さん。」

そこからは舞の独壇場だった。
「三太郎さんはーーー」
「忍びってーーー」
矢継ぎ早に次々と質問攻めに合い、皆、最初こそ戸惑っていたものの、次第に舞のペースにのまれ、気付けば皆で楽しく語らっていた。
声を出して笑ったのはいつぶりか。
何の策略も欺きもない、ただ他愛なく穏やかに流れて行くこの時間を忍びたちはとても幸せに感じた。

「「「「「舞様、ご馳走さまでした。」」」」」
「舞さん、ごちそうさま。」
「舞、ありがとう。美味しかったよ。」
「ウォン!」
食べ終わり、村正まで舞にお礼を言う。
それに
「いえ、信長様がくださったお小遣いで買ったので、お礼は信長様に言ってください。お小遣いをいただいてて良かったです!」
と言って、舞はにっこり笑った。
それを見て、皆も笑った。


捕縛した敵兵は上田城の牢へ投獄することになった。
竜が尋問する。
寛治と竹蔵と弥助はそのまま春日山まで舞を護衛し、三太郎は上田城で別れ信長の元へ報告に向かう。

敵兵の連行は忍びたちに任せ、舞と佐助と義元は先に上田城へと立った。
村正も後を付いて来る。

一刻ほど経つと真新しい城が見えて来た。
「わー、きれいなお城だね。」
「上田城は築城されたばかりだから、新しいんだ。」
「へー、そうなんだね。それに、ここは城下町かな?いろんなお店があるね。
「うん。明日、見て回ろう。」
「いいの?!嬉しい!」
そんなことを話しながら進むと城門に辿り着く。

「佐助様、義元様、姫様、お待ち申し上げておりました。」
そう言って出迎えてくれたのは幸村の家臣たち。
「みなさん、こんにちは。お世話になります。」
「出迎えありがとう。世話になるよ。」
「初めまして。舞です。よろしくお願いします。」
馬から降りてそれぞれ口にする。

「道中、ご無事で何より。」
そう声を掛けてくれる家臣に
「いや、無事と言うわけでもなくて。後から軒猿たちが捕縛した輩を連れて来ます。牢へ入れて構いませんか?」
「おおっ、それは大変でしたな!もちろんです。準備しておきまする。」
「よろしくお願いします。」
/ 336ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp