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《イケメン戦国》時を越えて

第7章 時を越えて〜顔合わせ〜


「あー、俺は真田幸村。昨日も会ったし、他に紹介することは特にない。」
きっぱりさっぱりの幸村らしい自己紹介。

「幸村さんは佐助くんと仲良しなんですか?」
舞が尋ねると
「『さん』はいらねー。『幸村』でいい。敬語もいらねー。」
と全く違う答えが返って来る。
「えっ?うん。分かった。幸村ね。」
「おー。佐助とは、佐助いわく『ズッ友』だ。」
「ふふっ、ズッ友なんだ。幸村は佐助くんの大事な人のひとりなんだね。」
「あー、まあ、そうなんじゃねえの。」
少し顔を赤くして答える幸村はなんだかかわいい。


「最後はお前だ。佐助。」
「改めまして、猿飛佐助です。軒猿に属しています。よろしくお願いします。」
無表情で頭を下げる佐助。
「ちなみに俺は戦国マニアで、No. 1推し武将は徳川家康公です。」
眼鏡を持ち上げながらビシッと告げる。

「…舞、訳して。」
家康から言われ、舞が説明する。
「えーと、佐助くんはこの時代に来る前からこの時代のことを調べたり見たりするのが大好きで…どの武将も好きだけど、一番好きなのは家康だって。」
笑顔の舞とは逆に家康は不機嫌顔になる。
「なにそれ。そんなの迷惑でしかないんだけど。」
と言いながら家康が佐助の方を見ると
「うわっ!」
いつの間にか家康の目の前に佐助が移動して来ていた。
「良かったらサインをお願いします。」
無表情で家康の手を握りながら迫って来る佐助に
「ちょ、ちょっと。近いから!手、離して!」
タジタジになる家康。
「舞!サインってなに?!」
「えーと、署名?」
「なんで俺がコイツに署名しなきゃならないんだよ!」
「うーん。好きだから??」
「俺は男には興味ない!」
「ああ、違うちがう。そう言う好きじゃなくて、尊敬?憧れ?って意味。」
「だからって、ああもう!手を握るな!」
「サインを…」
収拾のつかない状態に白旗を上げた家康が、署名をして何とかその場は治った。
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