第20章 時を越えて〜分岐〜秀吉ver. ※R18あり
※R18となります。苦手な方はスルーしてください。
「本当はずっとお前を抱きたかった。」
深い口付けの後、舞を褥に横たえた秀吉が言う。
「秀吉さん…」
「でも、子ができてお前を傷付けたらと思うと怖かった。情けないよな?」
困ったように笑いながら言う秀吉に
「ううん。情けなくなんかない。それだけ大事にしてくれてたってことでしょう?…ありがとう。」
「ーーっ、愛してる」
秀吉はそう言うと再び深く口付ける。
クチュクチューー
室内に絶え間なく響く水音。日頃の秀吉からは想像がつかないくらい激しく、欲望をぶつけるような口付けに舞は戸惑いつつも、それほどまでに求められることに喜びを感じていた。
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毛利との決戦はあれから膠着状態が続き、数日経って回復した秀吉は戦場へと戻った。最終的には、これ以上戦いを続けても兵たちが疲弊して行くばかりで何の益もないと判断し、両軍撤退を決める。
そして、それぞれの領地へ向けて織田軍と上杉・武田軍が出立しようとした時、事態が動いた。
毛利から和睦が申し入れられたのだ。
急な申し出を訝しむ信長たちの耳に
『毛利が南蛮からの攻撃を受けている』
との情報がもたらされる。信長以上に南蛮との貿易を密にして来た毛利だったが、この度の戦の前に武器を買い入れた南蛮商人と一悶着を起こしていた。足元を見て、法外な金額を求められたことに激怒した元就がそれを突っぱねたことに対して、南蛮商人が報復に出たのだ。
日ノ本より遥かに優れた武器を持つ南蛮人の攻撃を受け、織田軍との戦も重なり毛利陣営はかなりの痛手を負った。しかも、今後は南蛮からの武器の調達は困難になる。このまま、織田軍との戦いを続ければお家断絶も免れないと判断した元就は、今回の決断に至ったのだった。
プライドの高い元就は、今回の南蛮商人の暴挙に腸が煮え繰り返るほどに怒っており、憎しみの矛先は全てそちらに向かった。南蛮人への報復に全力を注ぐことに専念するため、国内の戦は放棄したのだった。
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そして、安土へ帰り着き、光秀と信長から祝言を挙げる許可を得た秀吉は坂本城を訪れていた。歓迎の宴の後、舞の居室へと戻った二人は、もう我慢できないとばかりにお互いを求め合う。
濃密な口付けを与えられた舞は、身も心もトロトロに溶かされ、秀吉が着物の合わせを開き、己の双胸を露わにしても恥じらう余裕もない。