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《イケメン戦国》時を越えて

第20章 時を越えて〜分岐〜秀吉ver. ※R18あり


意識を取り戻した秀吉は、再び眠った。荒かった呼吸は緩やかになり、熱も下がって来ている。明らかに状態が良くなっていることが分かり、舞は安堵する。家康から
「意識が戻ったら教えて」
と言われていたのを思い出し、家康を探すために天幕を出た。

「舞さん!」
天幕を出てすぐに声を掛けて来たのは佐助。その周りには春日山の面々。
「秀吉さんは?」
心配そうに尋ねる佐助に
「意識が戻ったし、熱も下がって来たからもう大丈夫そう。」
舞が答えると
「良かった…」
佐助は安堵の息を漏らした。
「秀吉さんが助かったのは佐助くんのおかげだよ。本当にありがとう。」
舞が感謝を述べると
「いや、秀吉さんを救ったのは君だ。俺は少し手伝っただけ。助かったのは、君の処置が迅速だったからだ。」
とんでもないと佐助が言う。
「あの時、佐助くんがいてくれて心強かった。他の人にやり方を説明してる時間なんてなかったし…。私だけじゃ持たなかった。」
舞が言うと
「お役に立てたなら良かった。」
佐助は口角を上げた。

幸村「良かったな。」
義元「信長を庇って矢面に立つとは、見上げた忠誠心だね。」
謙信「ふんっ。俺ならその矢を斬り捨ててくれるわ。」
佐助「謙信様の場合は、矢が避けて行くので大丈夫です。」
義元「ははっ、確かにね。」
信玄「でもまぁ、天女に口付けてもらえるなら毒矢で射られるのも悪くないな。」
幸村「ちょっ!なに言ってんすか!」
義元「『秀吉は舞の口付けで助かった』って俺も聞いたよ?」
佐助「それは誤解です。舞さんがしたのは口付けじゃなく『人工呼吸』」
幸村「『じんこうこきゅう』?」
佐助「そう。自発的に呼吸することができなくなった人に息を送り込んで、呼吸の補助をする。それを繰り返すことによって、呼吸が戻る場合があるんだ。」
幸村「へー。それすると助かんのか?」
佐助「絶対じゃない。『心臓マッサージ』という、止まった心の臓を動かす処置と併せて行うと助かる場合がある。心の臓が止まってすぐにそれをすることで、救命できる可能性がグンと上がるんだ。」
信玄「なるほどなぁ。止まった心の臓を動かすなんてすごいな。」
佐助「はい。俺が謙信様を助けた時もしました。」
一同((((……))))
幸村「…まさか…」
佐助「…幸村。謙信様には『人工呼吸』はしてない。」
幸村「そっ、そうだよな!」
一同((((ホッ…))))
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