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《イケメン戦国》時を越えて

第4章 時を越えて〜呼び名〜


夕餉を食べ終わり、秀吉さんに城内を案内してもらう。
「ここが書庫でーーー」
説明はすごく丁寧で親切…なんだけど…
「ここは武器庫。危ないから近づくな。それから、夜は無闇に部屋から出るんじゃないぞ。城内と言えど危ないからな。それから、廊下は走るな。後はーーー」
注意事項と言うか、小言が多い。でも、心配してくれてるんだって分かるから、素直に肯く。

そして、最後に向かったのは私が住まわせてもらう部屋。
「とりあえずのものは揃ってるけど、足りないものがあれば遠慮なく言ってくれ。」
そう言って案内された部屋はかなり広い。
「ひっ、広いね。誰かと同室なの?」
驚いて尋ねれば
「いや、お前一人の部屋だ。こっちが居間であっちは衣装部屋と閨だから、広さなんてこんなもんだろう?」
と返された。
(部屋って言われてたから普通の六畳一間だと思ってたけど、良く考えればお城って色んな人が住んでるし、現代でいうアパートみたいな感じなのかも…)
「こんな立派な部屋をいただいてなんだか申し訳ないなあ。」
ボソっと呟くと
「なーに言ってんだ。お前は織田家所縁の姫として城に住まうんだぞ。これでも狭いくらいだ。ものだって少ないし…。お前の好みもあるだろうから必要最低限に留めたけど、これからどんどん増やすからな。欲しいものは遠慮なく言えよ。」
と言われ、頭をポンとされた。
「お前を疑ってひどい態度を取ったけど、これからは織田軍の仲間として仲良くしてくれよな。」
「うんっ!ありがとう。秀吉さん。」
「じゃあ、俺はそろそろ行く。明日からは準備で忙しくなるからな。今日はゆっくり休めよ。」
「分かった。色々ありがとう。おやすみなさい。」
「ああ。おやすみ。」
そう言って、秀吉さんは部屋を出て行った。

(秀吉さんて最初は怖かったけど、面倒見が良くて優しい人だなあ。真面目で信長様愛が激し過ぎるが故の行動だったんだって今は分かる。もう斬られる心配はなさそう。)

寝着に着替えて布団に入る。

(昨日から色々あったなー。最初はどうなる事かと思ったけど、とりあえず生きて行けそうで良かった。
信長様は怖そうだけど、意外にお茶目でやんちゃな感じ。史実とは全然違う。
光秀さんは…良く分からないけど、背中をさすってくれた手は温かかったな。意地悪だけど…ーーー)

そんな事を考えてたらいつの間にか眠りについていた。
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