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《イケメン戦国》時を越えて

第4章 時を越えて〜呼び名〜


「家康って笑い上戸なの?」
家康に問いかけると
「いや、いつもは無表情だぞ。こんなに笑うのは珍しい。明日は槍が降るかもな。」
反対側から答えが返って来た。
「うるさいですよ。光秀さん。」
ムスッとした家康に
「まあ、そう怒るな。冗談だ。」
やれやれといった風に肩を竦めると光秀さんはその場を離れて行った。
「家康、ごめんね。」
(私が余計なことを言ったから…)
「なんであんたが謝るの?」
「うん。余計なこと言ったかな?って…」
「別に。俺だっておかしければ笑うから。いつもは別に何も面白くないから笑わないだけ。」
「そっか。じゃあ、家康を笑顔にできて良かった。」
そう言って微笑むと、家康は手で口元を押さえてそっぽを向いてしまった。
「…そんな顔してそんな事言わないでよ。」
ボソボソ言う言葉は良く聞き取れなかったけど、耳が赤くなってるから照れてるのかな…。(なんだかかわいい。)そう思ってニヤニヤしていると、
「なに笑ってんの!」
とほっぺを抓られた。

(家康は照れ屋さんなんだなー。素っ気ないけど、冷たい人ではないみたい。また家康を笑顔にできると良いなぁ。)


そんな風に過ごすうちに夕餉が運ばれて来た。
政宗と作った夕餉はどれもとっても美味しい。
(美味しいご飯を食べるとそれだけで元気になるなあ。)
うんうん頷きながら、ニコニコ食べる私に
「舞様はとても美味しそうに食べられますね。」
そう声を掛けて来たのは三成くん。

「うん。だってすごく美味しいから。」
「そうですね。政宗様の料理はいつも素晴らしいですが、今日はいつもより味がする気が感じます。」
満面の笑みで語る言葉に
(ん?いつもより味がする??)
違和感を感じて
「三成くん、いつもより味がするってどういう意味?」
問いかけると
「そうですね。私には美味しいとかは良く分かりませんので。」
「ええっ?!」
「ああ、ただ人参は食べると気分が沈みますね。」
「はぁ?」
噛み合ってるのかいないのか分からない会話だけど、三成くんが味覚オンチで人参嫌いなことだけは理解できた。
「今日は舞様も作られたので味が分かります。」
「………」
ニコニコして言う三成くんに何と返せば良いのか分からなかった。

(三成くんて、物腰が柔らかくて超イケメンなのに…寝癖ついてるし、味覚オンチ…危なっかしくて母性本能をくすぐられるタイプ??)
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