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《イケメン戦国》時を越えて

第19章 時を越えて〜分岐〜信長ver.後編 ※R18あり


播磨国を抜けた信長たちは備前へと向かっていた。
「来たな」
そう謙信が言えば、前方から毛利家の家紋『一文字三星』の幟をはためかせた騎馬隊が駆けて来るのが見える。その後ろには歩兵隊と大軍が近付いて来ていた。

「総戦力で来たか。」
信玄が言うと
「毛利になどやられはせぬわ。」
信長が動揺もせずに言う。
「大暴れできるな。」
嬉々とする政宗に
「俺の獲物を奪うでないぞ。」
同じように愉しくてたまらないといった表情の謙信が言う。
「戦馬鹿に戦狂い。めんどくせーから敵には回したくしたくねーな。」
そんな二人を見て、幸村が呆れたように言った。

配列に就いた織田、上杉、武田軍の前に目前に迫った毛利軍。

「毛利は今日この日を以て、潰される運命だ。数は向こうが上でも武力はこちらが上。皆の者、恐れず向かえ!いざっ!」

「「「「「「おおーーーーっっ!!!!」」」」」」

信長の鼓舞に士気の上がった兵が応え、討つべき敵へ向けて皆、駆け出した。前線に躍り出るのはやはり、謙信と政宗。左右からそれぞれの隊を引き連れて、敵に食い込んで行く。
「うわぁっ」
「ぐあっ」
次々になぎ倒されて行く毛利軍。
「まだまだあ!」
「ふんっ。雑魚ばかりではつまらん。手応えのある者はおらぬのか。」
どんどん調子づいて行く政宗と謙信に押され、毛利軍が少しずつ後退して行く。その時
「軍神、上杉謙信か。敵にとって不足なし。」
そう言って謙信の前に現れたのは
「輝元か」
毛利軍の重臣、毛利輝元だった。
「やっとまともにやり合えるな。」
そう言うと素早く太刀を繰り出す謙信に対し
「はっ。軍神の首、頂戴いたす!」
力強い太刀払いで応える輝元。一進一退の壮絶な一騎討ちが始まった。

後方では、幸村と義元が座頭衆と対峙していた。
「幸村、此奴らとは目が見えない相手と思って戦っては駄目だよ。」
「分かってらあ!はっ!」
「ふっ、では優雅に終わらせようか。覚悟!」
こちらは幸村と義元が押し気味なものの、気の抜けない戦いが続いている。

佐助を中心とした軒猿は、忍び道具と技を駆使して毛利十八将が率いる陣形を乱す。乱れた隊を信玄が指揮を取る赤備えと鉄砲隊を中心とする明智軍が片っ端から倒して行く。
信長と三成は天幕にて戦略の指示を飛ばしていた。

辰の刻に始まった戦いは申の刻の頃には決着がつき、数で圧倒していた毛利軍は戦場に散った。
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