第18章 時を越えて〜分岐〜信長ver.中編 ※R18、R20あり
※R20です。自己責任でお願いします。
人間と獣との性行。その中でも犬との行為を『犬婚(いぬたわけ)』と言い、世間の表向きには禁忌とされているその行為を愛好する者もいる。この男は自分ではなく、女と雄犬の行為を見て興奮するという、また変わった嗜好の持ち主であった。
「明智殿には、いつもほんに感謝しておりますよ。」
そう京訛りで話すこの男、実は影響力のある公家の当主だった。
「こちらこそ、お喜びいただけて幸いにございます。有事の際にはぜひお力添えを。」
光秀は男に丁寧に挨拶すると、
「では、私はこれにて。」
とその場を座して行く。去り際
「お前はこれから一生、お犬様の性処理役として獣以下の存在となり生きて行くのだ。くくっ。心配するな。お犬様相手なら子を成すこともない。俺の娘にした愚行を思えば軽すぎるくらいだが、そこは俺の優しさだと感謝でもしてもらおうか。
ああ、心配するな。お前の父親や一族の者も、全てに渡ってお前と同じように手厚くもてなしてやることになっている。くくっ。」
そう明姫の耳元で楽しそうに語った。聞いた明姫は、驚愕の表情を浮かべながら涙を流した。その表情はすぐに絶望へと変わり、光秀が去って犬に貫かれる頃には、その瞳には何も映し出さない人形のように変わった。
実際、大名の一族は信興と三太郎を中心とした者たちに尽く潰された。実はこの大名、織田と和睦を結びながら毛利とも繋がり、上杉にも取り入ろうとするとんでもない風見鶏だった。そのような経緯もあり、報復の手は緩められることなく、あっという間に進んだ。
大名は、家臣とともに南蛮行きの船に乗せられていた。信興によって南蛮の商人に売られたのだ。この後、南蛮の権力者に奴隷として買われ、厳しい現場で死ぬまで強制労働を強いられることとなる。
大名の妻、つまり明姫の母親は、明姫の兄とともに見世物小屋へと売られていた。母子の近親相姦の行為を客の前で披露するのだ。元々、母へ親子愛以上の気持ちを抱いていた兄にとってはこんな幸せなことはない。人が見ていようが、母が泣き喚こうが関係なく、狂ったように母の体を貪った。
それ以外の妻や子、親族たちは、島流しや身分剥奪、遊郭へ売られたりと事実上、大名一族はお家断絶となったのだった。
大名の有する城は信興が占拠し、領地は織田のものとなった。
そうして『三恐』の逆鱗に触れた騒動は終わった。