第18章 時を越えて〜分岐〜信長ver.中編 ※R18、R20あり
騒ぎが収まり、光秀の執務室へ移動しようとしていた舞と信長に
「信長様、舞様、おめでとうございます。」
「「「「おめでとうございます。」」」」
家臣たちが祝いの言葉をかけてくれる。
「ああ」
「ありがとうございます。」
とそれぞれ返すと、
「お子はどちら似でしょうな。」
「信長様に似た立派なお世継ぎ様だろう。」
「いや、舞様に似た麗しい姫君かもしれんぞ。」
家臣たちが今度は子の話で盛り上がり出す。
政宗「俺は男だと思うぞ。」
秀吉「そうだな。信長様だからな。」
幸村「信長だから。って、意味わかんねえ。俺は女だと思う。」
佐助「うん。信長公似の姫君…見てみたいね。」
幸村「……なんでわざわざ信長似にすんだよ。」
義元「やっぱり、舞に似た女の子だよ。」
謙信「男に決まっている。」
信玄「俺も男に一票だな。」
三成「お世継ぎが4、姫君が3なので私が姫君を選べば同票ですね。」
幸村「採決じゃねえっつーの。」
九兵衛に付いている光秀と家康以外の武将たちも盛り上がり出した。
信興「じゃあ、俺は男女の双子といこう。三太郎は?」
三太郎「お世継ぎ一択で。」
信興「兄上は?」
信長「男だ。」
信興「舞は?」
信興が聞くと
「絶対、男の子です!」
と舞が言い切る。あまりにはっきり言うので
「なんで分かるんだ?」
秀吉が聞くと
「さっきね、寝てる時に夢で見たの。3、4歳くらいの男の子が『母上!』って駆けて来て私が抱き留めたの。名前はね『きっぽうし』だったよ!」
舞が嬉しそうに答えた。
「「「「「「………」」」」」」
黙り込む皆を不思議に思った舞が
「あれ?『きっぽうし』って名前じゃなかったのかな?うーん。でも、返事してた気がするし…」
と言えば、
「貴様、俺の幼名を知っているか?」
と信長が聞く。
「ようみょう?…ああっ!子どもの頃の名ですか?うーん。なんだろう?光秀さんの『彦太郎』は分かるんですけど…」
「俺の幼名は『吉法師』だ。」
「…きっぽうし?……ええっ?!」
予想だにしなかった展開に舞は目を見開く。
「くくっ、腹にいる子は男で名は『吉法師』に決まりだな。」
信長がおかしそうに言うと
「…ふふっ、そうみたいですね。」
と舞も笑った。
それを見ていた家臣たちが
「お世継ぎとは!」
「なんと!さすが女神様だ。」
と再び盛り上がり出したのは言うまでもない。