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《イケメン戦国》時を越えて

第18章 時を越えて〜分岐〜信長ver.中編 ※R18、R20あり


九兵衛が客間に運ばれる様子を見守っていた舞たち。
家臣の一人が秀吉に
「秀吉様、つかぬことをお伺いいたしますが…」
そう言って話しかける。
「ん?なんだ?」
「先ほどから言われている『お子』とは…もしや?」
「ああ、信長様と舞との間のお子だ。」
「…とすると、信長様と舞様は御夫婦に?」
「そうだな。近々、祝言をあげられるご予定だ。」
「ーーっ!!」

「「「「「おおっー!!!」」」」」

「なっ、なんだ?!」
「どうしたんだ?!」
突然上がった歓声に秀吉をはじめとする武将たちが驚く。
家臣たちは
「やったなっ!」
「さすが信長様だ。」
「これで織田軍も安土も安泰だな。」
などと口々に発して喜び合っている。

「みなさん、どうされたのですか?」
三成が近くにいた家臣に尋ねると
「どうしたもこうしたもありません!舞様が信長様の奥方になられるとは…夢のようです!!」
と大興奮で答える。その隣の家臣も
「『幸運の女神様』と謳われる舞様がいらっしゃる限り、織田軍も安土も安泰でございますから!」
と言う。すると、最初に答えた家臣が
「こうしてはおられません!城中の者に知らせなくては!!」
と走って行ってしまった。

その様子に
「はあ?『幸運の女神様』??」
驚きのあまり、顎が外れそうな勢いでポカーンと口を開けた舞が言うと

「信長様のお命を救い、上杉・武田との和睦を成され、矢馳せ馬で果敢なお姿をお見せになったかと思えば、天女の歌声のような音色で琴を奏でられ、慈愛に満ち、その全てが女神のようだと。笑顔を見た者には幸いが訪れる『幸運の女神様』と皆に慕われております。」
家臣の一人が鼻高々にそう説明する。

「………それって…誰のことですか?」
「もちろん、舞様のことにございます。」
「『舞様』って…もしかして私??」
「はい!」

「……………………ええええっーーー?!」

舞の叫び声が響き渡った。その顔は混乱に満ちている。
「…そんな…私にはそんな…」
周りのあまりの崇めように、驚きと戸惑いと申し訳なさと…色々な感情が混ざって困惑し、しばらくブツブツ言っていた舞だったが
「やめた!」
突然宣言し
「私を見てれば、『幸運の女神様』なんてすごいものじゃないってそのうちみんな気付くだろうし、考えるのはやめます!」
そう言ってにっこり笑った。

周りは皆、苦笑いするしかなかった。
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