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《イケメン戦国》時を越えて

第17章 時を越えて〜分岐〜信長ver.前編 ※R18あり


〜信長目線②〜
しばらくすると
「舞です。」
と声が聞こえる。
「入れ」
と告げれは
「失礼します。」
そう言って、舞が入って来た。

「話とはなんだ」
そう声を掛けると
「……近くに行っても良いですか?」
一瞬の間の後、舞は小さな声で言った。
「ああ」
と答えると、俺の目の前に座った。真っ直ぐに俺を見る視線に耐えられず目を逸らすと、舞は俯いた。
「あのっ、お話が…」
俯いたままで言う舞に
「なんだ」
と聞けば
「……」
黙り込む。
「話があるなら早く言え。」
そう急かすと

「……子が……子ができたんです。」

小さな小さな震える声で舞はそう言った。

「はっ?」

思わずそう発した俺に

「ごめんなさい。信長様に言うつもりはなかったけど、光秀さんたちに説得されて…。でも、やっぱり言うべきじゃなかった。信長様に迷惑かけるつもりはないんです。生まれても『信長様の子』だとは誰にも言いませーーーあっ」
気付けば舞を掻き抱いていた。

「信長様?」
「…俺の子として産んではくれぬのか?」
「えっ?」
「子を産んでも俺とともに育てる気はないのか?」
「えっ?えっ?」
舞は俺の言葉の意味を分かっていない。

体を離し、舞の目を見て
「舞」
「はい」
「俺の妻となり、子を産んで育てるのは嫌なのか?と聞いている。」
「ーーーっ」
そう伝えると、途端に舞の目に涙が溢れ出す。
「返事は?」
「…それはできません。」
「ーーーっ」
今度は俺が言葉を失った。
「私なんかじゃ信長様には釣り合いません。それに、戯れでできた子の責任を負わせるわけには行きません。信長様は信長様に似合う方と一緒に…」

(此奴は一体、何を言っている?)

「貴様は…何を言っている?」
「えっ?」
「俺に釣り合わないとはどういう意味だ?」
「…私は明智の血筋と言っても、ただの庶民で…品もないから…。」
「はっ?」
「馬に乗って矢を射ったり、女中さんのようなことをしたり…下品だって。」
「…それがどうした。馬に乗り、剣を振り回し、女中のように城中を動き回って働き、俺に楯突いたり平手打ちしてみたり、それが貴様だろう?その何が悪い?」
「だって、普通の姫はそんなことしないから…。」
「なぜ、普通であらねばならん?貴様は貴様のままでいればそれで良い。大人しく部屋にこもっているなど、貴様らしくもないことをする必要などない。」
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