第17章 時を越えて〜分岐〜信長ver.前編 ※R18あり
「信長様か。いつの間に…さすがだな。」
「やっぱりね。」
政宗と家康がそれぞれ言う。
「で、舞はなんで信長様に黙ってんだ?」
政宗が不思議そうに聞くと
「ですよね。黙ってる意味が分からない。」
家康も同意する。
「それは…」
「「それは?」」
「信長様は戯れだったのに、子ができたなんて困ると思って…」
「「……」」
「『隠し子』なんて周りに良く思われないでしょ?」
「…お前バカだなあ」
「あんたバカだね…」
「なっ、二人して『バカ』って…」
「まあ、それは俺たちが話すことじゃねえな。舞!」
「はっ、はい。」
「お前、信長様と話せ。」
「えっ?」
「全てはそれからだ。」
「どういう…」
「話してダメな時は、俺がお前も腹の子も面倒見てやる。」
「政宗さん!…まあ俺も面倒見ても良いけど。」
「二人とも、その時は明智家の跡取りとして育てるから心配無用だ。」
「「……」」
そうして、皆に説得された舞は、信長と話をすることに決めた。
ーーー明智家御殿、廊下。
実は、佐助に付いて光秀邸まで来ていた春日山の四人。舞からは見えない位置で話を聞いていた。
信玄「…信長め」
謙信「…和睦をやめるか。よし!戦だ!」
幸村「謙信様!そんなことで戦起こしてどうすんですか!!」
義元「『そんなこと』って、これは世紀の大事件だよ?」
幸村「…バカ元は黙ってろ。」
信玄「あー、俺の天女が」
幸村「『あんたの』じゃねー。」
信玄「この傷付いた心を癒すものは甘味しかない!」
幸村「そう言って甘味食おうとしてもダメです!」
信玄「幸のケチ」
幸村「ケチじゃねえ!」
謙信「今から城に火を付ける。」
幸村「おいおい!謙信様、物騒なこと言わないでください!」
謙信「俺は本気だ」
義元「本気になった謙信は止められないよね?」
幸村「バカ元!煽るな!!」
ボケ:ツッコミ=3:1
のやり取りがエンドレスで繰り広げられていた。
幸村「まともなヤツはいねーのかよ!!」