• テキストサイズ

《イケメン戦国》時を越えて

第17章 時を越えて〜分岐〜信長ver.前編 ※R18あり


「あんたは好きでもなんでもない男とホイホイ寝るような女じゃないし、結婚相手が決まってるのに他の男と関係を持つような女でもない。佐助とは『たいむすりっぷ』した日が初対面だった。そして…俺の見立だとあんたは懐妊して三月程度。500年後のヤツだと言われても、信じる要素が全くない。」
「……」
「言っとくけど、この時代の『知らないヤツ』っていうのも有り得ないから。あんたがこの時代に来てから、あんたの側にはいつも誰かいた。俺たちの知らないヤツと出会う機会も時間もなかった。」
「……」
家康の理詰に言葉も出ない舞。

「くっ、反論の余地はないな。」
唯一、真実を知る光秀も助け舟の出しようがなかった。
「政宗と家康の勝ちだ。どうする?舞。」
光秀は、こうなっては舞に任せるしかないと判断する。
「……ズルいよ。」
「ズルい?」
舞の言葉に家康が顔をしかめる。
「一生懸命に考えた策だったのに、そんなあっさり…」
「ぶっ。あんたが俺に勝てるわけないでしょ?」
「ううっ。そうだけど…でも、知らないフリしてーー」
「そんなことできない。」
舞の言葉に被せて家康が言う。
「苦しんでるあんたを放っておくなんてできない。俺も政宗さんも、他の人たちも。」
「……」
「だから、話しなよ。話せば俺たちが解決できるかもしれないし、解決できなくても、これ以上あんたが苦しまないようにはできる。」
「…家康…」
「良いとこ全部、家康に持って行かれちまったけど、まあそういうことだ。」
「…政宗」
二人の優しさに傷付いて冷えた心が温かくなる。
「ありがとう。」
舞はそう言って笑った。

「舞さん、俺にも話を聞かせて欲しい。」
突然の声に驚いて顔を向けると
「佐助くん?!」
「やあ、舞さん。光秀さん、お邪魔します。政宗さん、家康公、こんばんは。」
律儀に全員に挨拶する佐助。
「どうして?」
「舞さんからの文を受け取ってすぐ、こっちに向かったんだ。さっき到着して挨拶しておこうと思って来たら…。盗み聞きするような形になってごめん。」
「ううん。わざわざありがとう。」
「君が戻る前に色々話しておきたかったからね。来て良かった。」
そう言って佐助はうんうん肯く。

「どういうこと?」
それが気になった家康が尋ねると

「舞さん、君はもうタイムスリップすることはできない。」

佐助がはっきりそう告げた。
/ 336ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp