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《イケメン戦国》時を越えて

第17章 時を越えて〜分岐〜信長ver.前編 ※R18あり


〜信長目線〜
舞を呼んだのは『舞の話を肴に、酒を飲みたい』ただそれだけだった。
俺の酌を断った舞が『部屋に戻れないと困る』と言った時、『共寝すれば良い』などと、なぜそんなことが口から出たのかは分からないが、
(舞となら共寝も悪くない。)
そう思った。
なぜか怒り出した舞が部屋に戻ろうとするのを引き止めた。行かせたくなかった。そうして抱き寄せた体は小さく、それでいて温かい。この時
(此奴と共寝してみたい。)
そう思った。『話をしよう』と言う舞を、抱き抱えて褥へ運ぶ。

うるさい口を塞いだのは、ほんの戯れだった。
それが、気付けば激しく唇を吸う己がいた。
(舞が欲しい。温もりに触れたい。)
ただ、それだけを考え、思考を奪うように深く口付ければ、舞の力が抜ける。そこからは、夢中だった。数多の女を抱いて来た俺が、余裕などなかった。今まで、女の中で果てたことなど一度もなかったが、最後は舞の中で果てた。舞の中には己を吐き出したくて、その欲求に贖えなかった。
(子ができたら)
そう考えなかったわけではない。でも、舞との子なら悪くない。そう思う己がいて、不思議な気分だった。

同時に果てた舞は、そのまま眠ってしまった。己を引き抜き、舞を拭いてやる。事後に女の世話をしたことなど初めてだった。
「今日はらしくないことばかりだな。」
思わず苦笑いし、褥に横たわる。舞を腕に抱き寄せれば、なぜか穏やかな気持ちになり
「貴様は温かいな」
そう呟いて目を閉じた。

「えっ?」
舞の声に目を開ければ、陽の光が差している。
「んっ?起きたのか?」
そう舞に言いながら、ふと気付く。俺は眠っていたのか?こんなに長く深く眠るのはいつ以来か。そのせいか、妙に頭がスッキリする。
気分の良かった俺は、恥ずかしがる舞を軽い気持ちで揶揄った。その結果ーー

俺に平手打ちを食らわし

「最低!!」

と怒鳴って舞は出て行った。

俺はただ、呆気に取られ、気付けば笑っていた。女に打たれて笑っているなど、どうかしている。そう思うが、おかしくて仕方なかった。

そして、ふと気付く。舞がかなり怒っていたことに。もう二度と自分には近付いて来ないかもしれないと思うと、心の臓がざわざわして落ち着かない。
なぜだ?
なぜこんな気持ちになる?



ああ、そうか。




俺は舞に惚れているのだ。
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