第17章 時を越えて〜分岐〜信長ver.前編 ※R18あり
いきなり強い口調に変わった舞に驚く信長。
「だいたい、信長様はおかしいです!誰とも共寝しないのに、どうして私に一緒に休めって言うんですか?私が褥で寝たら、信長様は眠らずに起きているつもりですか?信長様にそんなことをさせてまでお酒なんか飲みたくありませんっ!失礼します!」
一気に言うと部屋を出て行こうとする。
「待て」
舞の腕を掴み、信長が引き止める。
「離してください!」
振り払おうとする舞を引き寄せ
「行くな」
腕に閉じ込めた。その声があまりに悲しそうで、舞は抵抗するのを止め、大人しく腕の中にいた。しばらくすると
「…貴様となら共寝も悪くない。そう思った。」
らしくなく、心許ない声色で信長がポツリと言った。
「…信長様…」
その姿に、
(こんな信長様を放ってはおけない)
そう思った舞は
「分かりました!お酒は一緒に飲めませんけど、もうしばらくお話しましょう?」
と言う。それを聞いた信長は、
「酒はもう良い。寝るぞ。」
と言って、舞を抱えて褥へと向かった。
「信長様?!」
驚いた舞が名を呼ぶが、信長はお構いなしに進み、褥へ着くと舞を腕に抱いたまま横になった。
「信長様!一緒に寝るなんて言ってません!」
うるさく騒ぎ立てる口を己の唇で塞ぐ。
「んっ、んんっ」
必死に抵抗する舞に、唇を離す
「なにーー」
と見せかけ、開いた口内に舌を押し込んだ。
クチュクチューーチュパッ
全てを奪うような激しい口付けに、舞の力が抜けて行く。信長は長い時間、口付けを堪能する。その深く甘い刺激に溶かされた舞にはもう抵抗する気力はなかった。当然のように信長に抱かれた舞が、差し込む光に目を開けると全裸で信長の腕の中にいた。
「えっ?!」
状況をすぐには判断できず、思わず声を上げると
「んっ?起きたのか?」
信長も目を覚ました。どうして良いか分からなくなった舞が
「あっ、あのっ」
と口籠っていると
「貴様との共寝は悪くなかった。」
とニヤリと笑う信長。
「ーーーっ!」
真っ赤になる舞に
「体の相性も悪くなかったな。また夜伽をしろ。」
その瞬間
バチーン!!
信長の頬に平手打ちをお見舞いし、急いで着物を着ると
「最低!!」
そう叫んで天主から飛び出して行った。
その行動に呆気に取られていた信長だったが、
「くっ、この俺に平手打ちを食らわすとは…やはり面白い。」
一人ごちて笑った。