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《イケメン戦国》時を越えて

第15章 時を越えて〜分岐〜幸村ver.中編


ーーー春日山城。
休まず飛ばして来た家康を家臣が出迎える。
「徳川様!お待ちしておりました!」
「状況は?」
足早に進みながら聞く家康に
「家康様」
「寛治か。で、どうなの?」
「はい。舞様は新たにできた外傷は認められないと女中が。ただ、肋骨は再び悪化していると思われます。」
「だろうね。」
「熱はなく、ただ眠っている様な状態ですが、意識は一向に戻りません。」
「…そう。幸村は?」
「幸村殿は…薬師が処置はしましたが、傷が深く出血が多かったためか、意識は全くなく、高熱が続いています。」
「分かった。幸村から診る。」
そう言って、家康は幸村の部屋へ向かう。

「入るよ。」
そう告げて部屋に入り、幸村を見た家康は驚いた。熱があるのに、血の気のない真っ青な顔。息は荒く体は震えている。
「…これは」
目の前に座る家臣が
「どうされましたか?」
と尋ねると
「これは、毒の症状。間違いない。」
「なんと!毒ですと?!」
「寛治」
「はい」
「敵の体は調べた?」
「はい。これが」
「さすがだね。ありがと。」
そう言うと、『毒の成分を調べて来る』と家康は部屋を出て行った。
残された寛治と家臣。
「徳川様は医師としての腕も素晴らしいとは誠だったか。」
感嘆した家臣に
「ええ。家康様が付いておられれば、幸村殿も時期に良くなりましょう。」
寛治が答えると
「誠に良かった。」
家臣が涙を流した。

半刻後ーー。
薬の成分を調べ、解毒剤を作成した家康が再び幸村の部屋を訪れる。
「頑張って飲んで」
匙ですくった解毒剤を少しずつ、膝に抱き上げた幸村の口内へ流す。
ーーゴクッ
「はー。飲んだ。」
安堵の息を吐くと、残りも口内へ流し込む。全部飲み込んだのを確認すると、再び寝かせ
「今度は傷を診るから」
と寝着を開いて、巻かれた包帯を解く。
「思ってたより深くないね。」
そう言って、傷薬を塗り、その上に大きな葉っぱを被せた。
「徳川様、それは?」
家臣が尋ねると
「この葉には傷を早く塞ぐ効果があるんだ。これを使うと使わないじゃ、治りが全く違う。」
「なるほど。さすがですな。」
家康の答えに家臣は感心して何度も肯く。その間に処置を終えた家康が
「解毒剤は意識が戻るまで飲ませる必要がある。一刻後にまた来るから、何かあったら舞の部屋に来て。」
そう言って出て行った。

※傷を治す葉は作者の空想です。
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