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《イケメン戦国》時を越えて

第15章 時を越えて〜分岐〜幸村ver.中編


ーーー春日山城。
突然現れた甲賀者と伊賀者の一団に驚いた春日山の人々。城門前は大騒ぎだった。佐助もその一人。
「寛治さん。」
唯一、顔見知りの寛治に佐助が声を掛けると
「佐助殿。此度は家康様の命により、我ら甲賀者と伊賀者も参上いたしました。」
「いっ、伊賀者もですか?!」
さすがの佐助も驚き、動揺する。
「はい。家康様より舞様と春日山城をお守りするようにと。」
「…そうですか。感謝します。どうぞこちらへ。」
寛治に丁寧にお礼を述べ、広間へと皆を通す。
「どうやら、俺と幸村だけ知らされていない作戦があるみたいだな。」
明らかに不満そうに呟きながら、城にいる軒猿と三ツ者も呼び出し、作戦会議を開いた。

「三ツ者のくノ一さんたちは引き続き、舞さんのお世話を。本丸周辺は軒猿。二の丸をーーー」
次々に指示を出す佐助。皆、無言で肯く。
城内は主に軒猿と三ツ者、三の丸と城の外周、城門を甲賀者と伊賀者がそれぞれ配置につくことになった。
「相手は世鬼一族。どんな手を使って来るか分かりません。捕縛は考えず、思い切りやってください。攻撃や武器はそれぞれのやり方で。世鬼一族を認めた際には、こちらの爆弾で知らせてもらえますか?爆弾と言っても大きな音が鳴るだけで、怪我はしません。ただ、ものすごい音なので使う際には耳を塞ぐことをオススメします。」
そう言って、全員に爆弾を配る。

「俺たちの最優先は『舞さんの身を守ること』です。それさえ叶えば城はどうなろうと構いませんので、思い切りいきましょう。」
「「「「「御意」」」」」
こうして忍びたちも動き出した。

なにも知らされていない舞と幸村は、舞の
「少しで良いから日光浴したい。」
と言う希望を受けて、舞の部屋の縁側に座ってまったりと過ごしていた。傍らにはもちろん村正。
「ずっと寝てばかりだったから、足腰が弱くなった気がする。」
と言いながら、舞は幸村の手を借りて縁側まで歩いて来た。
「あれだけ怪我してたんだからしょうがねえだろ。でも、ずいぶん良くなったな。」
「うん。痛みはもうほぼないの。でも、体を動かすとくっつきかけた肋骨が離れちゃうからダメだって。家康が。」
「そうだな。骨がくっつくまでは大人しくしてねーと長引くぞ。」
「はーい。ねえ、幸村。」
「ん?」
「この後、湯浴みしたい。」
「おー。家康もいいって言ってたしな。女中に言って来る。」
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