
第14章 時を越えて〜分岐〜幸村ver.前編

♪〜〜♫〜〜〜🎶
『どんなときも 槇原敬之』
僕の背中は自分が思うより正直かい?
誰かに聞かなきゃ不安になってしまうよ
どんなときもどんなときも 僕が僕らしくあるために
「好きなものは好き」と 言える気持ち抱きしめてたい
どんなときもどんなときも 迷い探し続ける日々が
答えになること僕は知ってるから
もしも他の誰かを知らずに傷つけても
絶対ゆずれない夢が僕にはあるよ
“昔は良かったね"といつも口にしながら
生きて行くのは本当に嫌だから
消えたいくらい辛い気持ち抱えていても
鏡の前笑ってみるまだ平気みたいだよ
落ちて行く夕陽に 焦る気持ち溶かして行こう
そしていつか誰かを愛し その人を守れる強さを
自分の力に変えて行けるように
♪〜〜♫〜〜〜🎶
ピアノを伴奏に歌う舞はとても楽しそうだった。
そして、そのきれいな音色と歌声、胸に響く歌詞に武将たちはおろか、城中の者が聞き惚れる。
歌い終わると舞が
「他にも歌って良い?」
と言うので、幸村が肯こうとした時
「ちょっと待て!」
と信玄がストップをかけた。
「せっかくだから、酒を飲みながらと行きたいんだが…」
と言えば、
「いいな!じゃあ俺はつまみでも作って来る。」
と政宗が厨へと行ってしまった。
そしてバタバタと宴の準備が進んで行く。日が暮れた庭に行燈が灯され、椅子や机が並べられる。城の者も参加しての即興のコンサートとなった。
知っている曲は舞と一緒に佐助も歌う。
「舞さん、これはピアノなの?」
「うん。持ち運びできるミニ電子ピアノなの。バッテリーはソーラー電池だから、この時代でも使えるよ。」
「へぇ、すごいね。そう考えるとやっぱり現代は発展してるな。」
「そうだね。現代は本当に便利だと思う。」
二人が盛り上がっていると
「さっきから気になってたんだけど…」
と家康がやって来た。
「さっきの舞の話の中に出てきた『すとーかー』って何?」
「『つきまとい行為』のことです。目を付けた人物につきまとって、後を付けたり家に押し掛けたり、時には暴力的な行為に出る人のことを言います。」
「は?じゃあ、舞はその男につきまとわれてたってこと?」
「うん。そうなの。なんか執着されちゃって…。」
「ふーん。(なんだそいつ!この時代にいたら間違いなく斬ってやるのに!!)」
怒り再燃の家康だった。
※ミニピアノは作者の空想です。
