第3章 時を越えて〜素性〜
そして再び信長様が口を開く。
「舞、『たいむすりっぷ』、『500年後』、そして『本能寺の変』…全てあの時貴様の口から発せられた言ノ葉だ。これらはどういう意味だ?答えろ。」
ヒュッーーー
確信を突いた突然の問いに喉が鳴る。
どう答えるべきか一瞬悩んだけど、この人たちに嘘や誤魔化しは効かないだろうと思い直し、正直に答える決意をした。
真っ直ぐ前を見据えて信長様を見る。
「分かりました。質問にお答えします。
その代わり、2つの条件をのんでください。」
「条件だと?何だ。言ってみろ。」
「はい。ひとつめは、今からする内容がどんなに信じられなくても、バカバカしいと思っても最後まで黙って話を聞くこと。そして、ふたつめは…」
信長様ではなく、豊臣秀吉へ視線を向ける。
「私をどんなに怪しいとか無礼だとか思っても、話が終わるまで刀を抜かないこと。」
再び信長様へ向き直り
「この2つを守っていただけるならお話します。」
と告げた。
「相分かった。皆のものも良いな?」
信長様の言葉に全員が肯くのを確認して話し出す。