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《イケメン戦国》時を越えて

第12章 時を越えて〜舞の秘密〜


「ここまでで約半分くらいなんですが、上手く伝えられたか分からないので、聞きたいことがあったら言ってください。」
舞が言うと
「俺たちも上手く頭の整理がつかないが…信長を死に追いやったことを何百年にも渡って責められるのはどうしてなんだ?」
信玄が聞く。

「それは、織田信長が戦国時代の象徴であり、有名武将の中で唯一、『謀反による死』を迎えたからだと思います。それと、明智光秀は織田信長の左腕と言われるほどの側近中の側近であったにも関わらず、織田信長を裏切ったことが衝撃だったのだと。
史実上の織田信長は、尾張から実力でどんどん領地を広げて行きました。一万とも四万五千とも言われる軍勢にたった数千で勝利したりと、戦の仕方が群を抜いて上手かったんです。まず、そこが大きな魅力です。
『大うつけ』と揶揄されながらも、次々と革新的な改革を行い、人々の暮らしを豊かにしました。楽市楽座はその代表的なものです。そう言った、人を魅了する力もあったんです。
そして、織田信長はどんどん領地を広げて行き、当時は不可能だと思われていた『天下統一』まであと一歩に迫っていました。そんなすごい人物の最期が『裏切り』だということが、しかもそれを起こしたのが明智光秀だということが人々は許せなかったんじゃないでしょうか?
ちなみに、それ以外の武将の方々は戦死もしくは病死だと伝えられていて、織田信長のような最期を迎えた人物はいません。だからこそ、余計に『織田信長の最期』が注目されたんだと思います。」
と佐助が答えた。

「なるほどなあ。『明智光秀が』ってところが重要なんだな。」
「はい。それが『豊臣秀吉』でも同じですが、『徳川家康』や『伊達政宗』だとまた話は違って来ます。家臣と同盟国の当主では人々の印象が全然違うので。」
「そうだろうな。良く分かった。」

「明智光秀が謀反を起こした理由はなんだ?」
今度は信長が問う。
「実は理由ははっきりしないと言われているんです。『信長に意見した光秀に信長が殴る蹴るの暴行を加えた恨み』だとか『ただ単に光秀が天下を取りたかったから』だとか『信長が光秀の息子を戦の最前線に置こうとしたからだ』とか…それはもう、色々です。中には『本能寺の変の犯人は明智光秀じゃない』という説もあります。」
「そんな理由では、光秀なら謀反は起こさんだろうな。」
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