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《イケメン戦国》時を越えて

第12章 時を越えて〜舞の秘密〜


そしてーーー
上座の位置に舞と佐助、右手に織田軍、左手に春日山組がそれぞれ座り、舞の話が始まった。

「みなさん、お忙しいのに時間を作っていただいてありがとうございます。私だけでは上手く話せないところもあると思うので、佐助くんに補足をお願いしました。長くなるけど、聞いてください。」
そう言って頭を下げる。

「私は…私の本名は『明智舞』。光秀さんの直系の子孫です。」
「……」
「誰も驚かないんですね。」
「佐助が俺の子孫だって話した時から、そうなんだろうなと思ってたから…。たぶん、他の人も。」
家康の言葉に皆、肯く。
「そっか…」

「以前、私が来た世に伝わる史実では、本能寺の変で光秀さんが信長様を死に追いやったとお話しましたが、本能寺の変の後に、光秀さんと明智家は秀吉さんを中心とした織田軍に討伐されました。
その時に光秀さんの妻子も処刑されたと史実では伝えられているのですが、本当は一人だけ、光秀さんの四男だけは密かに逃がされ生き残ったのです。その方が私の先祖です。
天下統一に大手をかけ、絶大な力を持った信長様を裏切った明智家は、遠縁の者までも信長様の死後、永きに渡って『裏切り者の一族』としてひどい扱いを受け、息を潜めて暮らさざるを得ませんでした。
『明智』の名を捨て、離れた親族も多くいました。
でも、時の流れとともに人々の関心が薄れると同時に、明智家へ対する仕打ちは緩和されて、本能寺の変の300年後くらいからは普通に生活して行けるようになったんです。その頃には、『明智』と名乗っても命を狙われたりすることはほとんどなくなったそうです。
それでも、本能寺の変のことが完全に消える訳ではなく、『明智』と言うだけで裏切り者、悪者扱いされて悔しい思いをすることもあったようですが…。
それほどまでに『明智』と言う名で苦労しても、家名だけは絶対に捨てなかったそうです。理由は…これはまた後で話しますが、とにかく『明智』を絶やさないように先祖代々頑張って来たんです。」

そこまで話すと長く息を吐く。
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