• テキストサイズ

《イケメン戦国》時を越えて

第12章 時を越えて〜舞の秘密〜


〜3人で逢瀬②〜
「で、謙信様は梅干しが好きなんだ。」
「梅干し?」
「うん。いつも梅干しをつまみに酒を飲んでるよ。」
「おつまみが梅干し?!」
「おー。謙信様のつまみは梅干しで、信玄様は甘味。」
「そっ、そうなんだ。お二人ともなんだか…」
「うん。おかしいよね。」
「おー。あの二人は戦は強えーけど、おかしい。おかしいくせになぜか強え。」
「プッ。そんなこと言ったら失礼だよ。」
「笑ってんじゃねえ…ぶっ」
「ははっ。幸村も笑ってるじゃないか。」
「て言うか、義元、お前もおかしいからな。お前が笑うな!」
「ブーッ、アハハハ。幸村、そんなこと言ったら、春日山は『おかしい人』ばっかりだよ?」
「ブハッ…考えてみるとそうだな…春日山ヤバイな!ハハハッ!」

他愛ないことで笑い合うこの時間はこの上なく楽しい。
3人とも笑いが絶えなかった。

この後、信玄御用達の甘味屋で金平糖とお土産の団子を買ったが、
「これだけじゃお城の人たちみんなには足りない。」
と残念そうに舞が言うので、他の甘味屋にも行き、結局3件の甘味屋をハシゴした。

「甘味屋3件ハシゴって…」
と呆れる幸村だったが
「たくさん買えて良かったね!」
と、満面の笑みで言う舞を見れば、それも良いような気がした。

「お茶でも飲もうよ。」
という義元の提案で、今度は幸村行きつけの茶屋へと足を運ぶ。
「ここは栗団子が美味いんだ。」
と幸村が勧めるが
「私は草餅が良い。」
と言う舞。
「お前は分かってねー。」
「分かってないって?」
「草餅より栗団子の方が美味いに決まってんだろ!」
「そんなの幸村の好みでしょ?私は草餅が好きなの!」
「はぁ?」
「なによ!」
栗団子か草餅かというあまりに平和な内容でバトルを始める二人を気にする風でもなく
「今日は良い天気だね。」
一人美味しそうに茶を飲み、優雅に微笑む義元。そんな義元に毒気を抜かれた二人は
「「ぶっ!!」」
と同時に吹き出した。

この後、舞と幸村は栗団子と草餅を
「草餅もうめーな。」
「栗団子も草餅も、どっちも美味しいね!」
と言いながら、仲良く半分こして食べた。

「そろそろ帰るか。」
そう幸村が言って立ち上がると、同時に差し出される二人の手。舞はその両方を取り、3人で城へと歩き出す。
「楽しかったねー。また来たいな。」
舞の言葉に、義元も幸村も笑顔で肯いた。
/ 336ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp