第14章 親友からの電話
『でも、もう別れちゃったの? 』
"うん...優はバレーばっかでつまんない、って言っちゃった...。"
『あはは! 』
"笑い事じゃないよー! "
『ごめんごめん。バレー三昧だったんだね。』
"そーなの...。"
美華は、優くんへの不満をつらつらと話した。
この3ヶ月は、1回もデートをしていないこと。
帰りも部活で遅いから、先に帰っててと言われること。
それなのに、クラスでは他の女の子や女子バレー部の子と仲良さそうに話してること。
『...優くん、モテそうだもんねぇ。』
"やっぱり!? 舞衣もそう思う? "
『んー、なんか、スマートだなぁってかんじ? 』
"だよね!? だぁってかっこいいんだもん。"
『私はタイプじゃないけどね。』
"あはは! "
美華の明るい声。
落ち込んではいるんだろうけど、笑えてることには少しほっとする。
『大丈夫? 今から会いに行こうか? 』
"んーん、夜遅いしヘーキ。ありがと。"
『そっか。』
"でも、優のこと抜きにしても、フツーに会ってよ。最近全然会ってなくない? "
『たしかに。』
高3になってバレー部に入ってから、土日も平日も忙しくて全然会えていなかった。
『今週の土曜、午前は部活あるけど午後は何にもないから、午後からなら会える。』
"ん、私も空いてるー。"
『じゃあその日にしよ。』
「やったぁ! 」
素直に感情を表現してくれて可愛い。
顔も勿論可愛いし、芯もあるし。
自慢じゃないけど、私の親友は超可愛いんだ。
優くん、こんなに可愛い彼女をほったらかしなんて。
"それにしても、まさか舞衣までバレー部に入るなんてねー。"
『ふふ。美華の周りはバレーに縁があるね? 』
"舞衣と優だけでしょ? あーあ、でも私、優も舞衣もバレーにとられてるじゃん。舞衣が最近会ってくれなかったのも部活のせいだしなー。"
『えぇ、ごめん。美華が1番好きだよ。』
"あはは! ありがとー"
それからは、学校の話を少しして。
進路どうしよう、とか、共通の友達は元気?とか。
"...ねぇ、そういえばさ。"
『ん? 』
"気になるかもって人。いたじゃん。"
『え? 』
"ほら、なんか、好きかはわかんないけど、みたいな! "