第11章 木陰に隠させて
「...それが最初じゃないと思うけど。でも、オレはあのとき、クロがバレーにハマったと思った。」
「やめてクダサーイ、恥ずかしいデスーっ。」
『さすが幼馴染...! 』
2人の歴史の深さを再確認したところで、食堂に着く。
今日は幼馴染コンビと、赤葦くんと木兎くんと月島くんと6人で話をしながらの夕食。
せっかくなので、みんながバレーを続けている理由も聞いてみた。
赤葦くんが、中学の時に木兎くんのプレイを見ていた話だったり。
木兎くんが、楽しいを求めてバレーをしていたり。
月島くんは、お兄さんがやってたからその影響だと、チラッと話してくれたけど。詳しくは話さなかった。
ともあれ、みんなバレーが好きで。
みんなハマる瞬間がどこかであって。
今ここにいるんだな。
そんなふうに思った。
だから、私は。
私はどうしたらいいのか。
昨日の「どうしよう」から、だいたい24時間くらい経って。
改めて冷静に考える。
みんなここに、バレーをやりにきているんだ。
なら、私の答えは。
お風呂からあがり、マネージャーの部屋へ戻る。
扉を開けると、今日はかおりちゃんしかいなかった。
「あ、舞衣ちゃん、お疲れー。」
『おつかれ、かおりちゃん。あのね、』
決めた。
『私ね、やっぱり告白しないことにしようと思って。』