第47章 来年の今頃は 〜お正月sp〜
「どう言う意味だ」
「だって、そう言うことをすれば自然と子は出来てしまいます。子を作らないとは、その、私とはもう…」
しないって事で、そうなると信長様のお相手が別に必要になってしまうって事なんじゃ……
不安な眼差しで信長様を見つめると、その目は優しく私を見つめ返した。
「ふっ、貴様は子を産み母となってもまだそう言う事には疎いようだな」
「え?そんな事は…」
確かに私は男女の事をあまり知らないままに信長様の妻になってしまったけど、それなりの知識は女中仲間達からも聞いて詳しくなったつもりなのに。
「子ができぬよう貴様を抱くことは可能だ。完全とは行かぬがな」
「えっ、そうなんですかっ!?」
そんな話は確かにした事が無かったから初耳だ。
「貴様を抱かぬのは俺にとって死活問題だ。それに、子は二人いれば十分だ。貴様はよく頑張ってくれている」
ふわりと抱きしめられ頭に口づけが落ちた。
お家が大きくなればなるほど、子供はたくさん産めと言われるのが常で、正妻に子が出来なければ側室を持つよう私(正室)が言わなければならない事もよく理解している。でもそんな事は望まないと言ってくれる信長様の優しさに胸が熱くなった。
「信長様、お気遣い下さりありがとうございます。
でも私…、信長様の子をできれば五人は欲しいんです」
そう、私は信長様の子がまだまだ欲しい。
「は?」
「確かに悪阻は辛いし、こうやって信長様にもご迷惑をかけてしまいますが、信長様と私の宝物を頂くための試練だと思えばなんて事ありません」
吉法師一人でもこんなに可愛くて愛おしいのに、その愛おしい子がまた増えるなんて嬉しくて仕方がない。
「っ、悪阻でなければ今すぐにでも押し倒しておるところだな」
私を腕に閉じ込めて信長様はふぅっと大きく息を吐いた。
「私だって、信長様を感じたいです。でも今はこのお腹の子をしっかり守って無事にこの世に誕生させてあげたい」
「母は強しだな」
チュッと軽い口づけが落ち、
「ならば俺は遠慮なく励むのみだな」
ニッと楽しそうに笑った。