第41章 叶えられていく思い 恋仲
「あっ、………あっ、」
ずりゅ、ずりゅ、とそこは卑猥な音を立てて男女の生々しい契りを見せる。
「目を逸らさずにしかと見よ。これが、愛し合う者同士の営みだ」
「やっ、あっ、ふぁっ、……あっ」
どうしようもなく恥ずかしいのに、突かれるたびにあられもない声が漏れる。
「っ、そんなに締め付けて、この姿に興奮しておるのか?」
「やっ、違っ!…っ、言わないで、っあ、ぁんっ」
顔は恐らく真っ赤なのだろう。
羞恥に駆られながらも、体はゾクゾクとして更なる快楽を求める。
「空良」
「んっ、…はっ、…ん」
緩やかな注挿と甘く深い口づけに羞恥心は削ぎ落とされ、身体がお湯に溶けていくような感覚に陥いっていく。
「あっ、ぁん、…信長様…もぅ、だめっ、」
「…っ、来い、一緒にいかせろ」
壁に預けていた身体を起こされると更に深く突き上げられた。
「ひゃあっっん!」
「ふっ、愛らしい啼き声だな」
信長様の吐息が顔を掠めるだけでもぞくりと体がしなる。
「俺を、存分に感じよ」
強く抱きしめられ、注挿が早まっていく。
「あっ、..あっ、」
「くっ、……っ、空良っ!」
「信長様っ、————————っ!」
繋がり合うお互いの身体がドクンっと脈打ち、信長様の放つ熱が私の体内を熱く濡らした。
「っ、…はぁ、…はぁ、」
抱き合ったまま、崩れる様に体を湯の中に沈め、呼吸を整える。
「…空良」
信長様は私の名を呼び、私の首から顔まで何度も唇を滑らせては、時折浅い息をする私の呼吸を奪った。
「…はぁ、はぁ、…愛してます」
「俺も愛してる」
情事の後のこの甘いひと時がとても幸せで…
こんな事を言えばまたお仕置きものだけれど、それでもやはり、もうこのまま湯に溶けて消えてしまってもいいと、快楽の余韻に浸りながら何度も思った。
・・・・・・・・・・・
「ここからは別々だ。明日の祝言で会おう」
「はい」
着替えを済ませて廊下へと出た私たちは、お休みなさいの口づけを交わし別々の部屋へと戻った。
信長様から与えられた熱を身体中に感じながら自分の部屋へと戻り吉法師と過ごしている時、信長様が秀吉さんにこっぴどく叱られているとは知らず、私は恋仲最後の日を幸せな気持ちで終えた。