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叶わぬ未来の夢を見る【イケメン戦国】

第26章 共に歩む道



「光秀、例の祝賀会だが、京には空良も連れて行く。その事を踏まえて準備に取り掛かれ」


空良の許婚が城下に現れた事をきっかけに俺は予定を変更し、明朝一番、それを光秀に伝えた。


「空良をですか?」

「そうだ」

「ですが......」

光秀にしては珍しく言葉を濁らせる。
理由はおおかた予想がつくが......

「異論があるなら申してみよ」


「恐れながら....空良には荷が重すぎますし、危険かと.....」

予想通りの答えに、俺も用意した言葉で返す。

「それを承知で連れて行く。その為の準備をしろと貴様には言っておる」


「ははっ!では侍女として、麻を空良につけることをお許し頂きたいのですが.....」


「構わん、麻であれば腕も立つしあらゆる作法にも詳しい。一石二鳥だ」

光秀の持つ女間者の中で、麻の右に出る者はいないであろうからな。

「恐れながら、お聞きしても?」

「今になって、連れて行くと言い出した理由か?」

「はっ.....」


「京には連れて行くが、祝賀会に参加させる訳ではない。だが、俺の正式な相手として連れて行く。公家や大名達の思い通りにはさせん」


「空良は何と?」


「まだ話してはおらん、だが説き伏せ連れて行く」


「自分の身分の事や武家のしきたりを気にして、前に出る事を嫌う娘です。恐らくは辛い道のりとなりますが?」


「それも承知だ。だが共に乗り越える」

ただここに閉じ籠め守るだけでは俺たちは前に進めぬ。

「俺に愛され生涯を共にする覚悟は、共に苦楽を乗り越えた時にできるのだろう、ならば共に進むまでだ。俺の隣にいる限り、空良自身が乗り越えねばならん事もある故な........」


気位が高く、気の強い大名衆や公家の女達の頂点に立たせようとしているのだ。空良には酷な話だが、乗り越えてもらう。


「かしこまりました。仰せの通りに」

全てを察した光秀は静かに頭を下げた。


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