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叶わぬ未来の夢を見る【イケメン戦国】

第24章 貴方と温まる夜〜大晦日特別編〜



今宵は大晦日。

ここ安土城では、武将達側近を招いて宴が開催されていた。


政宗の作った豪勢で美味しそうな食事が次から次へと運ばれ、無礼講の今夜は、みんな分け隔て無く飲み明かしている。


そんな中、私はと言うと......未だ大掃除の真っ最中。


「んーー、あとちょっとで届くのに.......」


宴に行く支度を終え大広間に向かう途中で、明日から年賀の挨拶に訪れる客人達をもてなす客間の棚の上の拭き忘れに気づき、今に至る。


既に清掃道具は片され鍵をかけられているため台座を使用することが出来ず、最後の棚が高すぎて今一歩のところで届かず、さっきから必死で背伸びをして足掻いていた。



「この跳ねっ返りが、そこで何をしておる?」

勢いよく襖が開くと、呆れた顔の信長様が顔を覗かせた。


「の、信長様っ!どうしてここに?」

「それは俺のセリフだ。ちっとも広間に来ないと思えばまだ掃除とは.......、それに貴様、なぜ小袖のままでいる?打掛はどうした?」


「あ、.......それはそこに.......」


小さく人差し指を出して示した場所には、この宴様に信長様が贈って下さった豪華な打掛が畳の上に無造作に脱ぎ置かれている。


「とんだじゃじゃ馬だな」


呆れた顔からはため息が漏れ、ツカツカと私に向かって来る。


「ご、ごめんなさいっ、慌ててたから.....」

(またお仕置き?それとも長ーい口づけ?)


どちらにしても何かをされることは確かで、どんどん近づいて来る信長様に、ひぃ〜っと身構えると、長い腕が伸びて、大きな手が私の両脇に入れられふわりと体が浮いた。


(えっ⁉︎)


抱き抱えられると思いきや、私の身体は信長様の頭の上を通り過ぎ、肩の上に乗せられた。




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