第21章 焦燥
「動いてもよさそうだな、ゆっくり動くぞ」
「えっ、もう!っあ、んんっ!」
少し身体を倒されると、緩やかに腰が上下に揺れた。
「あっ、..............ん、.....」
甘い刺激がお腹に広がり、自分から信長様のモノを締め付けてるのが分かる。
「くっ、空良」
「はっ、あ、信長様」
注挿により中をいっぱい広げられて苦しいのに、それ以上に気持ちが良くて声を抑えられない。
「空良、っ、もっと俺を感じろ」
「んっ、」
唇が.......苦しいくらいに私の呼吸を吸い取っていく。
やっぱり、おかしい.....。
何か、隠してる?
いつだって信長様はたくさん愛を囁いてくれるけど、今日はまるで何かに言い聞かせるみたいに聞こえる。
「っは、.........あ、あっ」
考えたいけど、下からトントンと突き上げられると、奥を突かれて気持ち良くて、考えに集中できない。
「んっ、.....奥ばっかダメ」
目の前がチカチカする。
「まだだ。もっと奥まで貴様と繋がりたい」
かぷっと、耳を食まれると、ズンっと腰を最奥まで打ち付けられた。
「ひぅっ、ん、......あぁっん」
「くっ、空良っ」
思いがけない昼間の情事は、私を大きな快楽で包み込む。
この後共に達するまで、信長様は何度も愛してる、離さぬと私の耳元で囁いては熱い口づけを落としてくれた。
天下統一を目前に、おおよそ手に入らない物は何もないであろう信長様でも、不安に思う事があるのだろうか?
私の目に映る信長様はいつも自信に満ち溢れ不敵に笑う頼もしい人で、そして俺様な人。
だけどこの時の信長様は何か大きな問題を抱え込んでいる様に私には思えた。
不安を拭う様に抱かれたその日、私はただその思いと熱を受け止め、愛する人を抱きしめる事しかできなかった。