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もうひとつの記憶
第2章 俺
俺は寝返りをうつ。
そうしていても、つい思い出すのはアイツの事だった。
そういえば、いつだったかな。
アイツを泣かせたこともあったっけ。
「僕の前から…また居なくなるの…?」
大きく確かな疑問。
その感情を持たない、俺にも解ってしまうほどの恐怖感。
寂しさ、悲しさ、困惑。
入り交じり絡み合った複雑な感情に俺は、少し悪いことをしたと感じたな。
あの時のアイツの声は、俺にはとても新鮮だった。
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