第6章 絆される・続(神威裏夢)
一口飲んで顔を顰めた神威に、遼は「苦いでしょう?」と言って笑う。
「ナニコレ、口の中が変な感じ」
「良薬口に苦しですよ……っん」
頭を寄せられ、深く口吻られた。
口内を犯す舌の苦さに遼は眉を寄せる。
頭がぼんやりとし始めた瞬間、唇が離れた。
「これで少しは収まったかな」
ペロリと唇を舐める神威の姿に、遼は一瞬見蕩れてしまう。
やはり神威は獣なのだ。
生きる場所も、死ぬ場所も戦場なのだろう。
「なに?」
「見蕩れてました」
素直に答えた遼に、神威は数度瞬きをして吹き出した。
「もっと、見蕩れていいよ」
「んっ……」
口吻られ、遼は目を閉じる。
開いた唇から侵入してきた舌に、自分のそれを絡めると、体温が上がる気がした。
「っ、あ、はぁっ」
唇が離れて、軽く肩を押されると、遼はそのままベッドに座り込む。
顔を上げると、にやりと笑った神威が上着を脱いだ。
「じゃあ、始めようか」
「悪い顔ですね」
「だって、悪いことするからね」
「そうですね」
神威の手が、遼の頬を滑って鎖骨を通り上着の留め具に触れる。
「脱がしてくれるんですか?」
「嫌なの?」
「いえ、何だか手厚いなって」
話している間に上着が脱がされ、下着姿になった遼に神威は溜息をついた。
「何ですかその溜息」
「揃ってなくても気にしないとは言ったけど、これは無いんじゃない?」
「楽なんですよ、ハーフトップ。長時間労働の時は特に、っ!」
ブラジャーがずり上げられ、露わになった胸に神威の手が触れる。
やわやわと揉まれて、遼は息を漏らして堪えた。
「んっ、ふっ……」
「声出しても大丈夫だって」
「いや、だって……んんっ」
胸の先端を甘噛みされて、遼は両手で口を押さえる。
主張し始めたそこに歯が当たるだけで体がぞくりと震え、腹の奥が疼いた。
「ん、ふうっ、っ」
「やらしい声」
揶揄うような神威の声さえ、遼に快感を与えるのには十分で、遼の目が潤む。
それをわかって神威はわざと音を立てて吸い上げた。
「それ、ダメっ、あ」
遼の制止する声を聞きながら、神威は執拗に先端を弄って快感を与える。