第29章 支配される心と体(近藤・土方裏夢)
薄く笑った土方は、荒い呼吸を繰り返す遼に口づけて、深く舌を絡ませる。
その間も挿入したままの指を緩く動かして刺激を与え、軽く痙攣する遼の体を弄んだ。
「んあっ、……ふっ……」
最早抵抗の兆しすら無い遼に、土方が怒張し始めた自身を擦りつけると、遼の手がするりとそこへ伸ばされる。
遼の小さく柔らかな手は、土方の物を優しく包み込むと、その形を確かめるようにゆるゆると撫で回した。
「っ、あ……そんなやらしい触り方、どこで覚えてきたんだ?」
「んっ、あっ、さっき……十四郎さんが、触ってくれてたから」
「へぇ、その割に慣れた手つきだな。どうせ、今まで咥え込んだ男にもそうやってきたんだろ」
「そん、な、こと……やあっ」
挿入された指の動きが速くなり、的確に感じる場所を攻められ、遼は堪らず手を離して土方に抱きつくと、ガクガクと腰を震わせる。
ぴったりと体を密着させたまま短く喘ぐ遼から指を引き抜いた土方は、少し思案した後、遼を洗面台の前に立たせて自分はその背後に回った。
「十四郎さん……?」
「洗面台に手ぇついて、ケツこっちに向けろ」
「えっ、えっ、あの」
「後ろからハメてやる。鏡で自分のイき顔しっかり見てろよ」
そう言われ、遼は思わず顔を上げて鏡に映る自分の姿を確認する。
快感を与えられたその顔は、既に十分過ぎるほど蕩けていて、潤んだ瞳やだらしなく開いた口は、快楽を求めるメスの姿だった。
(酷い顔……でも)
挿れられたらどうなってしまうのかと想像するだけで下腹部がきゅんっと反応し、愛液が零れ落ちるのを感じた遼は、土方の指示に従って洗面台に手をつき、尻を突き上げるような姿勢になる。
「もっと足開け。──ああ、すげぇな。挿れられるのを期待して、穴がヒクついてるぞ」
「いっ、言わないで下さい」
「しかも、ドロドロじゃねぇか。どれだけ淫乱なんだよ」
「あっ、う……ごめんなさい……」
「望み通り挿れてやるから、もっとケツ突き上げろ」
言われるがままの体勢になった遼は、秘裂に擦りつけられたそれの熱さと硬さに甘い息を漏らして貫かれる瞬間を待った。