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魂の色【銀魂短編夢】

第29章 支配される心と体(近藤・土方裏夢)


(私、期待してる……)

気が狂うほどに絶頂させられるあの瞬間を。
そして、密かに慕っていた人に開発されていく喜びを――
考えるだけで、心拍が速くなっていった。

「あ、そうだ。キミを脅迫していた奴らについては調べがついたから安心してね。近日中にはカタをつけられるから」

近藤に笑顔でそう告げられ、遼はごくりと喉を鳴らす。

「あの……それが終わったら、私は――」
「勿論、アイツらが居なくなってもキミの事は俺とトシで見張っててあげるからね」
「……はい」

頷いた遼を、近藤は優しく抱き寄せてその頬を撫でた。まるで自分の所有物だというように、肌を摺り寄せ頬や肩、胸、腹をゆったりとした動作で撫でまわす。

「あっ」

節くれだった指が、かさついた指先が、遼を再び高みへ押し上げようとしていた。

「近藤さ…あんっ……」
「やらしい声、出ちゃってるよ。お風呂入るんじゃなかったの?」
「だって、……んうっ」
「どうせなら、一緒にお風呂に入っちゃう?」

魅力的な申し出に遼が頷こうとした所で、ガチャリという音と共に扉が開き、風呂上がりで浴衣に身を包んだ土方が部屋へ入ってくる。

「近藤さん、もう戻ってたのか」
「ああ。お妙さんが明日も用事があるからって早く帰っちまったからな」
「相変わらずアンタは「お妙さん」一筋だな」
「当たり前だろ。何たって俺とお妙さんは運命の赤い糸で結ばれてるんだから」

嬉しそうに語る近藤の腕の中で、遼は一人惨めな気持ちになっていった。
先程までの甘いやり取りに本気になっていたのは遼だけなのだと痛感させられる。

「つーか、お前は今まで寝てたのか。とっとと風呂に入ってこい」
「きゃあっ」

遼の腕を引いて無理矢理立ち上がらせた土方は、そのまま風呂場まで引っ張って行くと、浴室に遼を押し込めて足早に近藤の元へと戻った。
浴室に残された遼は、ぬるめのシャワーを全身に浴びて一息つくと、ボディソープを手に取り念入りに体を洗う。
触れられた全ての個所を洗い終えると、少しだけ今の状況に現実味が帯びてきて、知らず涙が溢れ出た。
それを誤魔化すために頭からシャワーを浴びる。
余程長い時間が経っていたのか、扉越しに声を掛けられて現実に引き戻された。
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