第29章 支配される心と体(近藤・土方裏夢)
遼の表情が恐怖で引きつった瞬間、近藤は手にしていたバイブをポイっと離し、乱暴なピストンを始めた。
「あっ、あっ、っあ!奥にっ、奥ッ!!」
ピストンに合わせるように、遼の口から甲高い嬌声があがる。そして間近に迫った絶頂の予感に、シーツをきつく握りしめて訴えた。
「もうっ、ああっ、またっ、またイきますっ!イっちゃ――うぅっ~~!!」
遼は全身から汗が吹き出すと同時に、ぶわりと涙が溢れる。
体も心も限界に達してしまい、びくびくと震える下腹部や陰部に息が詰まった。
「遼ちゃん、漸く学習出来たね。じゃあ俺も、キミの中でイくからね」
「待ってっ、今突かれたら――!」
遼の訴えも虚しく、近藤は容赦なく自身を追い詰めるためのピストンを続ける。
「くっ、おお……ふうっ、ふぅーーっ」
「あっ……ぁっ……」
体内で吐き出される感触に、遼は痙攣しながら荒い呼吸を続けた。
膣内に収めたまま吐精され、風船のように膨らんでいくコンドームは遼に圧迫感と同時に快感を与え、絶頂の追い打ちを受けた体が強張る。
「遼ちゃん、力抜いてくれないとこのまま二回戦始めちゃうよ」
「はあーっ、はあーーっ」
「近藤さん、一回抜いてからじゃねぇと中で破れんぞ」
「わかってるけど、遼ちゃんが離してくれないんだよ」
揶揄うような二人の会話を聞きながら、遼はギリギリ保っていた意識を手放した。
弛緩した体に気付いた近藤は、ゆっくりと自身を抜き取る。
「近藤さん、アンタどれだけ溜めてたんだ?」
「五日ぐらいだよ。それにしても、我ながら大量だなぁ」
「コイツも意識失ったし、風呂でも入ってきたらどうだ」
「ああ、そうさせてもらうよ。トシ、悪いけど簡単に始末しといてくれ」
ベッドを降りた近藤は、先端にたっぷりと精液の溜まったスキンを取って悠然と風呂場へと向って行った。
残された土方は、ぐったりとしている遼の腹部をそっと撫でる。
汗ばんだ体はしっとりと土方の手に吸い付き、行為を予感させた。
「遼……」
誘われるように、薄く開いた遼の唇に指先でそっと触れる。
少し間を置き唇を重ねると、舌を入れて口内を蹂躙するようになぞった。