第29章 支配される心と体(近藤・土方裏夢)
「ごめんね、裸だから寒いよね。でも大丈夫。すぐに汗だくになっちゃうから」
「は?」
ぽかんとする遼をよそに、近藤と土方はゴソゴソと何かを用意し始めた。
この状況から、てっきり二人に乱暴されるのだと思っていた遼は訝し気に二人の様子を窺う。
「まずはコレからで良いんじゃねぇか?」
「トシぃ、お前も意外とやる気満々だったんだな」
「さっさと終わらせてぇだけだよ。コレならサクッと壊せるだろ」
「じゃあ、遼ちゃんのを体を固定しないとな」
そう言って近藤が手に取ったのは手錠だった。
ただし、真選組が業務で使用している物とは異なり、リング部分が革のベルトになっていて、内側にはファーが取り付けられている。
いつの間にかにベッドに乗っていた土方が遼の手を拘束していた布を解くと、抵抗する間もなく手錠がかけられた。
「やっ、なにっ!?」
「暴れんな。痛くされてぇのか」
「トシ、意地悪なこと言うなよ。遼ちゃん、足にもお揃いのつけてあげるね。あっ、動いたらうまく着けられないって」
土方に肩を押さえつけられて体を起こすことが出来なくなった遼は、恐怖の色を濃くしながらも足をばたつかせる。
僅かばかりの抵抗を意にする様子もなく、遼の両脚に枷を装着した近藤は、そのまま膝を割って足を開かせ、閉じられないように足の拘束具をベッドに装着しているベルトに引っ掛けた。
同様に手錠を装着している手も遼の頭上に固定し、腰下に枕を置いて陰部を晒した状態にさせる。
身動きが取れなくなった遼の姿に満足したのか、近藤は何度か頷くと「トシ、もういいぞ」と声を掛け、二人はベッドから降りる。
「すげぇ格好だな」
「は、外してください。私、もう……」
「外してあげたいのは山々だけど、俺たちは「キミが絶対裏切れない」保証が得たいんだよ。だから、ごめんね」
笑顔で応える近藤に狂気を感じ、何とか抜け出せないかと遼は腕や足を動かすが、ガチャガチャと金属音が響くだけでどうにもならなかった。
「ちょっとバタついたくれぇで外れるワケねぇだろ。ったく、往生際が悪ぃな」
「遼ちゃん、暴れたら危ないよ。心配しなくても、俺たちはキミを傷つけたいわけじゃないから」