第28章 一世一代の恋の行方(銀時裏夢)
「そんなわけないでしょ。…っわ!!」
呆れていると突然ブラジャーのホックが外されて、ずるりと上に持ち上げられた。
「脱がねぇと入れねぇぞ」
「ぬ、脱がさなくていいってば!」
「まあまあ、遠慮すんなって。つーか、やっぱりちょっと成長したよな」
「ちょっ、揉まないで――んっ!」
「っていう割に、乳首勃ってるけど?」
銀時が遼の胸をやわやわと揉みながら、先端を指先でピンと弾く。与えられた快感に、遼は身を捩って悶えた。
「ンあっ、やっ……」
「可愛い声出しちゃって。風呂まで我慢できそうにねぇなぁ」
「一緒にお風呂入るのやめちゃうよ?」
「そう言われちゃ仕方ねぇか。じゃあ、ゆっくり楽しませてもらうかな」
鏡越しにニヤリと笑った銀時と目が合い、遼は全身を震わせる。
その震えが恐怖からではなく、この先の行為を期待してのものだと自覚して、思わず熱く甘い吐息を漏らした。
ゆっくりと遼から離れた銀時は「先に入ってるぞ」と、さっさと裸になると浴室に入ってしまう。
扉が閉まったのを確認すると、何度か深呼吸したのち中へと足を踏み入れた。
「風呂沸かしてるから、先に背中流してくれるか?」
「えっ、あ、うん」
促され、風呂椅子に座る銀時の背中にかけ湯をして用意されていたスポンジにボディソープをのせて泡立てる。
ふと銀時の背中に目をやった遼は、薄く残る刀傷をそっと指でなぞった。
「うわっ!」
「あっ、ごめん。痛かった?」
「いや。びっくりした。そこに何かあんのか?」
「古傷って言うのかな……いくつか残ってる刀傷があるよ」
「ふぅん。いつのだろうな。でも、傷が残ってるなんてお前とお揃いみたいでいいかもしれねぇか」
思いがけない銀時の反応に、遼はぱちぱちと瞬きを繰り返す。
遼にとって後悔の象徴でしかなかった傷跡を、銀時がそんな風に受け入れてくれるなどとは考えても居なかった。
自分と銀時の体を交互に見比べて同じような傷跡を見つけると、微笑んで「そうだね」と小さく呟く。
「見えない所がお揃いなんて、ちょっとロマンチックだよな?」
「ロマンチックって…銀ちゃんの柄じゃないよ。ほらほら、背中洗うから前向いててよ」
「へいへい」