第3章 アイの無い形(真選組逆ハーギャグ)
遼が「何か知ってるんですか」と尋ねると、月詠はモジモジとし始める。
「いいいいや、わっ、わっちは何も関係ない」
「……月詠さん、緊急事態なんです。もう私も色々限界なんです。助けて下さい」
言い淀む月詠に、遼は必死で言い縋った。
月詠にも事情があるのだろうが、精神的に追い詰められた遼にとって構う余裕はない。
「愛染香の効果を無くす方法はないんでしょうか?」
「何じゃ、誰か使った奴がおるのか?」
「実は、斯く斯く云々で……」
「成る程な。愛染香には、その効果を打ち消す愛断香というのがあるんだが、わっちの手元には残っていないんじゃ」
「そんな……じゃあ、あのセクハラ上司に耐えるしか……」
崩れ落ちた遼を不憫に思ったのか、月詠は百華を使って吉原中を探し、見つかり次第連絡する事を約束して百華に指示を出した。
「見つけたぜ」
「!!」
声と同時に、ガキンという刀がぶつかる音が響く。
振り向くと、沖田の白刃を斉藤が抑えていた。
「俺を置いて終兄さんと吉原デートなんざ、いい度胸だな」
「何でここに」
「発信器くらい、基本だろ」
「そこまでします?!」
刀を収めた沖田と斉藤は、当たり前だと頷く。
「終兄さん、アンタとだったら遼を取り合うのも楽しそうだ」
【総悟くんとは性癖が合わないので、うまくいかないかと】
「つれねぇな。けど、土方さんとよりはうまくいきそうだろ?」
こっそり逃げようとしていた遼の腕を捻りあげ、沖田は楽しそうに笑った。
「痛い痛い!ヘルプ、ヘルプミー!」
「往来で叫ぶんじゃねぇよ。町行く皆さーん、こういうプレイなんでお気になさらず」
「いやどういうプレイ?!」
さすが吉原、何事かと様子を見に出て来た人達が消えていく。
「じゃ、3P出来る店でも探すか」
「3Pってアレですよね?!ファミコンの事ですよね?!」
「〇〇〇にファミコン突っ込まれたいなんて、とんだドMだな」
「私そんな事言いました!?」
【総悟くん、突っ込むならポケットステーションくらいからじゃないと】
「何ですかソレ?!優しさ?嫌がらせ?」
というか、今の若い子は知らないからサイズ感わからないだろう。
「じゃなくて、何も突っ込ませませんからね!」
【年頃の娘が突っ込むとか突っ込ませるとかは良くないと思う】