第24章 ハッピーメリークリスマス【神楽友情夢】
真選組で過ごすのとは違う充足感に、改めて感謝の気持ちを伝えようと心に決めた。
神楽の旺盛な食欲によって、溢れんばかりに並んでいた食卓はあっという間に空になり、遼はそろそろかと台所に向かう。
「遼ー、どうしたアルか?」
「ちょと待ってて。すぐに戻るから」
台所に入った遼は、隅に置いていた荷物を確認して満足げに頷くとそれを持って居間に戻った。
「なにアル?」
「みんなへの、クリスマスプレゼント」
にこりと笑った遼は、荷物の中からラッピングされた包みを四つ取り出すと、机の上に置いてその一つを神楽に差し出す。
「これは神楽ちゃんへ。素敵なパーティに誘ってくれてありがとう。それから……ずっと私の友達でいてね」
「遼……。もちろんアル!遼はずっと私の親友アル!」
感極まって抱きつた神楽に、遼は僅かに体を傾けた。圧し掛かる神楽の重みに、胸が締め付けられるような、今にも泣きだしたいような気持になってしまう。
「遼、プレゼント開けてもいいアルか?」
「もちろん。気に入ってもらえるといいんだけど……」
遼から離れてプレゼントを開けた神楽は、その中身に表情を輝かせた。
「ごっさ可愛いアル!」
「本当だ。女の子らしい感じですね」
「つーかコレ、遼と色違いじゃねぇか」
「銀ちゃんよく気付いたね。髪留めは私とお揃いなの。で、リップクリームはちょっと色がついてるから、あんまり塗りすぎないようにね。それから、こっちは銀ちゃんと新八くんに」
プレゼントを眺める神楽の様子に、面映ゆいような気持ちになりながら、遼は銀時と新八にも包みを渡す。それぞれに受け取った二人は、遼に断ってプレゼントを開けた。
「何だコレ?スリッパか?」
「モコモコで可愛いでしょ。それに暖かいから、裸足でも寒くないよ」
「へぇ。やっぱりお前も女子だったんだな」
「何それ。あ、もう一つは腹巻きだから。お腹出して寝ちゃわないようにね」
「お前はお母さんか。で、新八は?」
銀時に尋ねられ、新八は中身を広げて見せる。
「僕は手袋とマフラーでした。ありがとうございます、遼さん」
「喜んでもらえたなら嬉しいよ。あ、定春くんはおやつセットね」
「わおんっ」