第24章 ハッピーメリークリスマス【神楽友情夢】
遼は神楽を誘って居間の机に行くと、早速トライフルを作る為にケーキや果物をカットしていく。
「神楽ちゃんは、カップにケーキと果物を入れてね。あ、折角だから最後の飾りはみんなでしようか」
遼はケーキに乗っていたサンタクロースやトナカイ、ツリーなどの飾りを皿に並べてよけると、神楽と一緒にカップにケーキや果物を入れていった。
「よし、コッチはこれでいいかな。神楽ちゃんのケーキは何を乗せたい?」
「え、あ、……」
「遠慮しないでいいよ。神楽ちゃんが頑張ってくれたから、ケーキもこんなに大変身出来たんだし、今日は特別な日だからね」
にこりと笑った遼に、神楽はもじもじとしながらサンタクロースのマジパンを指さす。
「サンタクロースが良いアル」
「じゃあ、私はトナカイかな。サンタクロースの隣には、トナカイが居ないとね」
「だったら、銀ちゃんはツリーにして、新八はチョコの家にするアル!」
「そうだね。定春くんはワンちゃん用のクッキーにしようか」
順調に完成していくケーキに、神楽の表情も明るいものへと変わっていった。その変化に、遼の表情も明るくなっていき、自然と二人は顔を見合わせて笑う。
「良いクリスマスになりそうだね」
「きっと、最高のクリスマスアル!」
「そうだね。よし、じゃあケーキはこれで完成っと。銀ちゃ-ん、そっちはどう?」
「こっちも出来たぞ。運んで良いか?」
「ありがとう」
銀時に駆け寄った遼は、机の上を片付けて銀時達と料理を並べた。
「全部並べると、パーティーって感じになるね」
「そうですね。あ、遼さんのお箸とお皿です」
「え」
「遼さん、万事屋で食事する事が増えたから、銀さんが買っておけって」
「ありがとう。すっごく、……嬉しい」
真っ赤な顔をして微笑んだ遼に、新八もつられて赤面する。
「よ、喜んでもらえてよかったです」
「新八くんが選んでくれたの?」
「いやっ、あの、万事屋みんなで買いに行ったんです。でも、中々意見がまとまらなくて……銀さんは自分と対になるのが良いって言い張るし、神楽ちゃんは自分とお揃いじゃなきゃ嫌だって。結局、お店の一番人気になっちゃったんです」
「そっか、みんなで選んでくれたんだ」