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魂の色【銀魂短編夢】

第24章 ハッピーメリークリスマス【神楽友情夢】


「ふうん。そう言えば遼、真選組の奴らからもプレゼント貰ったって言ってたネ」
「はあ?どうせしょーもない物だろ」
「銀ちゃん、アイツらあれでも公務員アル。金だけは持ってるネ」

痛い所を突かれて、銀時はうっと胸をおさえた。自分が用意したプレゼントに自信がないわけではないが、財力は敵わない。

「な、なぁ神楽、何貰ったか遼から聞いてるか?」
「もちろんアル。出来る女はそういう所を外さないネ」
「さすが神楽。じゃあ、銀さんにちょこっと教えてくれ」
「たしか、――」

神楽があげ連ねた人物の名前と品名に、銀時の表情が歪んだ。遼が贈り物の金額で人の価値を決める事は無いと知っている。むしろ、遼なら高額な贈り物は遠慮して受け取らないだろう。

(アイツら絶対何か理由つけて受け取らせたな)

銀時の予想はあながち間違いではない。ただ、もっと大きな計画が画策されていただけで。
それも、遼相手ではどれほど通用するか…。

「じゃあ銀ちゃん、私はケー……ちょっと出かけてくるアル」
「んあ、どこ行くんだよ」
「ちょっと大事な用事ネ」
「あっそ。まあ、気を付けて行って来いよ」

神楽が言い淀んだ理由を察した銀時は、じゃあなと言って万事屋の方へ向って行った。傘をくるりと回した神楽は、軽い足取りでケーキ屋へと向かう。
鼻歌交じりに道を歩いていると、通りがかった志村妙に声を掛けられた。

「あら神楽ちゃん、ご機嫌ね」
「アネゴ!」
「そう言えば、今日は万事屋でクリスマスパーティだったわね。行けなくてごめんなさい」
「仕方ないアル。アネゴは男どもから貢物を毟り取る大役があるネ」

計画を立てたのが直前だったため、妙はスナックすまいるの勤務が外せず、今日は不参加になっている。

「新ちゃんもそろそろ向かったと思うわ。あ、そうそう、新ちゃんにお土産の卵焼き渡してるから、みんなで食べてね」
「……わかったアル。そ、そうアル、今日は遼がいっぱいご飯作ってくれてるネ!」
「あら、そうなの。じゃあ、卵焼きは冷凍してまた今度食べて頂戴」
「……」

どうあっても卵焼きは不可避なのだと解り、神楽はひっそり涙した。
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