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魂の色【銀魂短編夢】

第3章 アイの無い形(真選組逆ハーギャグ)


冷えた布団の上の筈なのに、まるで人肌のような温かさを感じる。

「ん?」

違和感に気付いて起き上がろうとすると、掛け布団ごと背後から抱きしめられた。

「うわぁぁっ!」
「騒いだら、このまま犯すぜィ」
「おっ、沖田さん」
「見られながらやられるのが好みなら、声出しな」

脅され、遼は慌てて両手で口を押さえた。

「いい子だ……ちゅっ」
「!?」

首筋に音を立てて口吻られ、沖田の腕の中で震える。
ただでさえ何を考えているかわからないのに、背後から抱きしめられている今の状況では表情すら解らないので、恐怖は二倍だ。

「ちゅっ、ちゅっ」
「んっ、ん……」

抵抗しないのをいい事に、沖田は口吻を繰り返す。

「次は、こっちだな」

袷から差し入れられた手が、下着の上から胸を揉む。
流石にそれはと、遼は差し入れられている沖田の手首を掴んだ。
喋れないので、いやいやをするように首を横に振ると、沖田が喉の奥で笑った。

「そういう態度、そそるぜ」
「?!」

耳の裏に息を吹きかけられ、ビクリと震える。
その様子に、沖田は空いている左手を遼の腹部に滑らせゆったりと撫でさすった。
それ以上は、と無理矢理起き上がろうとした瞬間、ドスの効いた声が降ってくる。

「そこまでだ、総悟」
「なんでィ、まだ諦めてなかったんですかい、土方さん」
「諦める?
 はっ、遼は俺の女だ。手ェ出してきたのはテメェだろ」

繰り広げられる勝手な会話に、怒りを通り越して呆れてしまった。
疲れもあって、相手にするのがバカバカしくなる。
もうこのまま寝てしまおうかと考えていると、沖田の腕から解放された。

「じゃあ、どっちが遼と寝るか決着つけましょうや」
「おもしれぇ、やってやるよ」
「ちょっ、お前ら俺の部屋で何やってんのォォォ?!」

真剣を構えて対峙する二人を、戻ってきた近藤が慌てて制止するが、すっかりその気になった二人には届かない。

「勝った方が一週間遼とやり放題ってのでどうですかぃ?」
「いいぜ」

人権を無視した二人のやり取りを聞きながら、遼は大きく欠伸をした。
もう、相手にする気力がない。
横になると布団に包まって「おやすみなさい」と呟いた。
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