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魂の色【銀魂短編夢】

第23章 合歓綢繆【阿伏兎裏夢】


神威のいいようにさせていると、呆れた顔の阿伏兎と目が合い、遼はニヤリと笑う。

(羨ましい?)

遼が声に出さずにそう言うと、阿伏兎は溜息をついて「アホか」と声に出さず答えた。その様子に気付いた神威は、遼の髪を結びながら呆れたように溜息をつく。

「あのさあ、いちゃつくなら俺の居ない所でやってくれない?」
「では、纏まった休暇をお願いします」
「いいよ。その間、阿伏兎には三倍働いてもらうから」
「それでは意味がないのですが」

もう何度目かのそんなやり取りをしていると、遼の髪が出来上がり、神威は満足そうに頷いた。

「出来たから、もう働いていいよ」
「ありがとうございます。では団長、早速航路の確認をさせて下さい。副団長は情報の確認をお願いします。ああ、あの方にも一応ご連絡を」
「はいはい。ったく、人使いが荒いったらねぇな」

すっかり仕事モードになった遼は、テキパキと指示をこなしていく。
阿伏兎は遼のそんな姿を好ましく思っていたし、これからもそうあることを望んでいる。
少しツリ目がちで、どことなく冷たい印象を与える遼は、団員たちからは「クールビューティー」と称されている。
けれど、阿伏兎はそうは思わなかった。

(まあ、遼の別の顔を知っているのは俺だけで十分だろ)

それを思うと、ぞくぞくと背筋が震えた。
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